圧倒的なリーチ数、そして手軽さが魅力に
アスリートがインスタグラムを好んで使う理由。それは月間アクティブアカウント10億のうち、4億人がスポーツ関連のアカウントをフォローしているなど圧倒的なリーチ数もあるが、何より魅力的なのが「使いやすさ」である。
特にインスタグラムがスポーツの分野で注力しているのが、「IGTV」「Instagramストーリーズ」だ。IGTVは2018年にリリースした最長60分までの長尺動画を投稿できる機能。海外ではセリーナ・ウィリアムズが料理している様子など、プライベートの自分を発信するためにIGTVをうまく活用している。
今やお馴染みの機能となったストーリーズでは、リアルタイムな情報を発信したり、アンケートスタンプや質問スタンプを使ったりして、ファンとコミュニケーションをとるアスリートが続々と増えていっている。
「インスタグラムはコンテンツを作るために制作会社に依頼して、撮影してもらう必要はない。スマホで撮影して投稿すれば、すぐに多くの人に届けられる。この手軽さがアスリートにとっては大きな魅力となっており、他のプラットフォームよりもインスタグラムの方がいい、と言うアスリートも多くいます」(デイヴ)
カヌースラロームの羽根田卓也
例えば、羽根田は今後のインスタグラムの活用について、こんな考えを語ってくれた。
「そのスポーツを観戦する際、その日の大会の様子だけを見るのではなく、選手の長いストーリーを知っておくことで、その戦いぶりの伝わり方が全く違うと思います。今後はライブ配信などインスタグラムのさまざまな機能を通して、自分たちのストーリーをしっかり発信していき、競技の魅力を届けていけたら、と思っています」(羽根田)
アスリートは競技だけやっていればいい、という時代は終わり、アスリートこそSNSを活用して発信にも力を入れるべき、である──そんな時代に移り変わってきたように思う。ファンもアスリートの投稿に日々の活力をもらっているように、アスリートもファンの言葉に活力をもらい、さらなるパフォーマンスが期待できるかもしれない。
最後にデイヴは、アスリートがインスタグラム上でブランドを構築していくための方法を語ってくれた。この言葉で、この記事を締め括りたい。
「ブランドを構築するにあたって大事なのは、一貫性にフォーカスし、アカウントの役割を定義すること。そしてストーリーズや動画などの機能を積極的に試すことです。何のためにインスタグラムをやるのか、その理由を考えてから活用すればアスリートにとってインスタグラムは素晴らしいツールになるはずです」(デイヴ)