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2020.03.30

スタートアップ企業への成長支援で未来をつくる

みずほ銀行頭取 藤原弘治

みずほ銀行がいま、ユニコーン企業の創出に向けた支援を行っている理由とは。スタートアップ企業支援の現在と今後について、みずほ銀行の藤原弘治頭取に聞いた。


日本はいま、多くの社会課題を抱えています。国内では少子高齢化が進み、人口減少に伴う働き手の減少や地方経済の衰退が懸念されています。

一方、世界に目を向けても、構造課題が山積しています。地政学リスクが意識されるなか、気候変動問題は深刻化し、台風や豪雨など自然災害の恐れが強くなり、足元でも新型肺炎で経済や社会に混乱が生じています。

ただ、こうした課題こそ、スタートアップ企業にとってはチャンスを与えてくれる機会でもあります。その意味では「課題先進国」と言われる日本には、大きなポテンシャルがあると言えます。スタートアップ企業のイノベーション力こそ、社会構造課題の解決策に不可欠であり、経済を前に推し進める原動力ともなります。

みずほ銀行は、スタートアップ企業とともに社会を支え、未来をつくるパートナーになりたいと考えています。

日本における三つの課題

足元、日本のスタートアップ企業を巡る環境は十分とは言えません。規模だけ比較しても日本のスタートアップ企業への投資額は4,000億円と、米国の14兆円、中国の16兆円に比べて格段に少ない。非上場の時価総額1,000億円超の「ユニコーン企業」も、米国219社、中国109社に対し、日本は3社と見劣りします。その理由として、大きく三つの課題があると考えています。

一つ目は、市場のグローバル化です。今後、人口減が見込まれる日本では、海外に活路を見いだす必要があります。にもかかわらず、日本のスタートアップ企業に対する海外からの投資は限られています。

二つ目は、人材の流動化です。近年変化は見られるものの日本企業にはいまだ年功序列や終身雇用といった伝統的な雇用慣行が根強く残り、優秀な人材がスタートアップ企業で活躍する機会が限られています。

三つ目は、ベンチャー投資の活性化です。研究開発費との比較において、いまだ国内大企業のスタートアップ投資は慎重姿勢です。

世界のスタートアップ拠点の共通点

私は毎年、米シリコンバレーをはじめ、提携先のある中国・北京の中関村や深圳、上海、インドのバンガロール、フランスのパリといった主要都市のスタートアップ拠点を訪れています。こうした世界のスタートアップ拠点に共通するのは、主要産業の集積とスタートアップ企業のコミュニティーが共存していることです。

例えば、中国の深圳には、電子機器の受託製造大手、台湾の鴻海精密工業傘下の富士康科技集団(フォックスコン)の世界最大級の工場があり、その周辺には多くのスタートアップ企業が拠点を置き、ものづくりに欠かせない最新技術やアプリを供給しています。

中国の北京では産官学連携によるAI(人工知能)やIT(情報技術)関連のスタートアップ企業が集積、インドのバンガロールではEC(電子商取引)や配車サービス、医療といった産業基盤や社会インフラ関連のスタートアップ企業が活躍しています。各国のスタートアップ企業経営者と話をすると、必ず聞かれる質問は「いくら出資してくれるか」ではなく、「社会や顧客が抱えている課題は何か」ということです。つまり、彼らの渇望は、自分たちの発見や技術が世の中にどう役に立つのか、そして、その実現のためにみずほ銀行はどんな橋渡しをしてくれるのか、といったことにあります。

こうした海外事例を参考にして、いかに日本のスタートアップ企業を持続的に支援していくべきかを考えてみました。

その答えのひとつが、2019年6月の「THE FUND」です。経営支援事業を手がけるシニフィアンとの共同設立で200億円規模の大型ファンドを立ち上げました。日本では株式上場直前の「レイターステージ」へのサポートが手薄です。そこで新ファンドは、上場後も視野に入れた成長ステージを支援します。

この取り組みを通じて、みずほ銀行は、資金面だけでなく、販路の開拓やビジネスパートナーの紹介など事業面でもサポートする体制を整えています。

もうひとつが、会員制サービス「M’s Salon」です。みずほ銀行が主催するスタートアップ支援の枠組みで参加企業は3,000社を超えました。M’s Salonでは、スタートアップ企業との協働を求める大企業にも参加をいただく一方、経営知識や経験が豊富なメンター約30人から助言や支援が受けられるほか、ビジネスマッチングやピッチイベントも開催しています。ちなみに過去3年半のマッチング成功数は1万9,000社以上に達しています。

私は定期的にスタートアップ企業の経営者と朝食会を開いていますが、そこに大企業の最高経営責任者(CEO)をお誘いすることも多くなりました。最近、大企業の経営者とお会いすると、必ずスタートアップ企業との協働やデジタル戦略が話題に上り、その関心の高さを実感しています。

銀行にいま求められる役割は、お客さまや社会のニーズを先取りし、金融機能だけでなく、事業創造のパートナーとなり、世の中に貢献することです。

スタートアップ企業と社会課題解決へ

みずほ銀行の源流のひとつ、第一国立銀行の創業者である渋沢栄一翁の言葉に「夢なき者は理想なし。理想なき者は信念なし。信念なき者は計画なし。計画なき者は実行なし。実行なき者は成果なし。成果なき者は幸福なし。故に幸福を求むる者は夢なかるべからず」があります。

「夢」とは即ち使命、ミッションです。いくら優れたアイデアや技術を持っていても、どう役に立てるか、どう実現するかを突き詰めて考えていなければ使命を果たすことはできません。

スタートアップ企業の支援にも同じことが言えます。どうすれば社会構造課題を解決できるか、誰とともに世に打ち出すか、をともに考え、そしてつないでいく。

みずほ銀行は、これからもスタートアップ企業への成長支援を通じて「未来をつくる」お手伝いをしていきたいと考えています。

藤原弘治◎1961年生まれ。広島県出身。85年早稲田大学卒業後、入行。ニューヨーク大学経営大学院、マサチューセッツ工科大学で経営修士号取得。みずほフィナンシャルグループ執行役員IR部長、同執行役常務企画グループ長を経て、2017年4月より、みずほ銀行頭取に就任。

Promoted by みずほ銀行 / text by Masashi Ikeda / photograph by Jan Buus

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