3月14日の土曜日から16日の月曜日にかけて、Disney+の新規入会者数は前週の同期間との比較で3倍の増加となっていた。この数値は、フォーブスが調査企業Antennaから独占入手した資料で明らかになった。
このタイミングは米国の学校の閉鎖とも重なり、ファミリー色の強いDisney+は、今年最大の伸び幅を記録することとなった。Antennaの共同創業者でCEOのRameez Taseによると、同社はオプトイン形式のアンケート調査によりこのデータを収集したという。
この分野ではHBO NowやShowtimeらも同期間に会員数を伸ばし、増加率は90%と78%に達していた。しかし、この2社のサービスはネットフリックスやDisney+との比較で、解約率が非常に高いことで知られている。
ネットフリックスの増加率は、やや控え目な47%にとどまっていた。しかし、米国内で既に6100万人の有料会員を抱えるネットフリックスは、着実に会員数を積み上げている。
一方で、アップルの動画ストリーミングは前週との比較で10%の伸びにとどまり、主要サービスのなかで最低の増加率だった。
感染拡大の余波で、事業の多くを一時停止しているディズニーにとって、Disney+の好調ぶりは非常に嬉しいニュースだ。ディズニーは3月の初旬から米国や欧州、アジア地域のテーマパークを閉鎖している。さらに、同社の映画部門は実写版「ムーラン」や「ブラック・ウィドウ」の公開延期を発表しており、映画館の再開のめども立っていない。
大幅な減収に直面し、外部からの借り入れも検討中のディズニーにとって、Disney+の売上増加は非常に心強い。
米国のストリーミング分野には新たなプレイヤーの参入が続いており、5月にはHBO Maxが始動する。また、NBCユニバーサルはPeacockのベータ版を4月にローンチし、7月から本格的に始動する。
HBO Max やPeacockは、Disney+に匹敵するボリュームの古典映画やテレビドラマを揃えている点を強みとしており、このタイミングでの始動はメリットとなるかもしれない。AntennaのTaseは、これらのストリーミング企業の動向を、今後も注意深く観察していきたいと述べた。