米国人の3分の1が「新型コロナは人工ウイルス」と回答

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アメリカ人の3分の1近くが、新型コロナウイルスが人為的に作成されたものであると考えていることが、米国のピュー研究所が8914人の成人を対象に実施した調査で明らかになった。

回答者の大半は、メディアの報道を信頼している。しかし、全体の37%の人々は、報道に虚偽や誇張が含まれていると回答した。さらに、大統領選挙を控える米国では、支持政党によって報道の受け止め方も異なる事が明らかになった。

民主党を支持するグループにおいては、何らかの形でメディアが感染拡大のニュースを隠蔽していると考える人の割合が8割近くになっている。この割合は共和党支持者の間では6割弱だった。

一方で、新型コロナウイルスが自然に生まれたものと考える人の割合が、全体の半分以下だった点も興味深い。ウイルスが自然界で発生したものと考える人の割合は43%以下だった。それに対し、23%が人為的に生物学ラボで作成されたものと考えており、6%がラボ内のアクシデントで、このウイルスが生まれたと考えている。

科学者らは、新型コロナウイルスの遺伝子配列が既存のコロナウイルスと似通っていることから、このウイルスが自然に生まれたものであるとしているが、その説明に納得しない人々も多い。背景には、生物学ラボが安全基準を満たしていなかった事例の報告が相次いでいることがあげられる。

また、もう一つ、懸念されるのがフェイクニュースの問題だ。回答者の48%が、新型コロナウイルス関連の虚偽のニュースを読んだことがあると答えていた。フェイクニュースの定義は、読み手がどのような情報を信頼するかに左右されるが、虚偽の情報によってメディアの報道全体への信頼度が低下していることも考えられる。

今回のピュー研究所のレポートが示した、前向きな指標にあげられるのが、米国人の半数が1年以内にワクチンが開発されると考えている事だ。しかし、これは楽観的な予測であり、多くの専門家はワクチンの完成までに最短で1年間が必要で、18カ月かかるとの見通しが主流となっている。

編集=上田裕資

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