経済・社会

2020.03.24 08:00

ハワイへの渡航、異例の自粛要請。多様な新型コロナ対策、観光地の決断は

3月に初の感染者が確認されてから様々な対応策が講じられるハワイ (shutterstock)

3月に初の感染者が確認されてから様々な対応策が講じられるハワイ (shutterstock)

ハワイへの30日間の渡航を控えるように──。ハワイ州知事が3月17日、異例ともいえる渡航自粛要請を発表し、日本からも渡航を控える動きが加速している。

ハワイで新型コロナウイルスの初の感染者が3月6日に確認されてから、わずか2週間ほどでホノルル市では飲食店の営業休止、主要観光地が軒並み休園となり、ついにはオアフ島とマウイ島で住民へ外出禁止令が出るなど、ハワイの街中はすっかり様変わりしている。ハワイ在住の筆者が、前回の記事に引き続き、現地での新型コロナウイルスの最新情報をお伝えする。

ハワイでの新型コロナウイルス感染者は、3月22日時点で56人。最初に確認された感染者は、クルーズ船「グランド・プリンセス号」に乗船していた人や、感染が拡大しているワシントン州に滞在していた人など、感染場所は州外とみなされていた。だが、徐々にハワイ州内でも感染者が増え始め、やがて州外への直近の渡航歴がないハワイ在住者が感染するケースが出てきた。このうちの一人は旅行客が多く訪れる観光施設で働いていた従業員だが、これによりハワイで感染経路が確認できない「市中感染」が生じていることが確認されたのだ。

主要観光地は閉鎖。飲食店は営業休止へ


世界各国で新型コロナウイルス感染者が増大する中、幸いにもハワイでは2月までは感染者が0人だった。だがハワイでも市中感染が確認されたことで、ここ1週間ほどでハワイでは多様な対応策が次々と発表された。

まずハワイの公立学校では3月16日~20日に予定されていた春休みを1週間延期することが発表された。ハワイ大学では3月23日から始まる学期ですべての授業をオンラインに移行することが決定された。州政府職員はリモートワークでの勤務を実施し、民間企業においても可能な限り自宅勤務を行うよう推奨され、10人以上が集まる集会の自粛も要請された。

またハワイ住民への対応策に限らず、観光客への影響も多大だ。シュノーケリングスポットとして人気の高い自然保護区「ハナウマ湾」をはじめ、ホノルル動物園、ワイキキ水族館、太平洋航空博物館など、ハワイの主要観光地が軒並み休園となった。

さらに観光客の利用が多い主要なショッピングセンターも、次々と営業時間の短縮を発表した。これに追い打ちをかけるように、3月18日にはホノルル市長が、市内の公園やゴルフ場、プール、ジム等の閉鎖と、市内のバーやクラブの閉鎖を表明。ホノルル市内にあるレストランについては、テイクアウトの対応は許可されているものの、店内での飲食提供サービスの禁止が3月20日から実施されることとなったのだ。

異例の渡航自粛要請、現地では? オアフ島は外出禁止令も


またハワイ全体として大きな動きとなったのは、ハワイ州のデイビッド・イゲ知事が3月17日に発表した「ハワイへの渡航自粛要請」だ。日本を含め、ハワイ州外からハワイを訪れる人に対して、渡航を今後30日間控えるよう要請したのだ。知事は「今後30日間はハワイへの訪問を延期するか、スケジュールを改めることを勧める」と述べただけなのだが、このニュースは日本では「30日間ハワイに来ないで」といったセンセーショナルな見出しとともに報道された。
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文=佐藤まきこ

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