新型iPad Proハンズオン。「PCの代わり」になり得るか?

最新のA12Z Bionicチップを搭載するiPad Pro 12.9インチをレビューする。


インターネット動画視聴は高画質・高音質


アップルは最新のiPhone 11 Pro/11 Pro Maxに有機ELがベースのSuper Retina XDRディスプレイを採用している。有機ELの画質の特徴は明暗コントラストのきめ細かな描写と豊かな色再現にあると言われているが、iPad ProのLiquid Retinaディスプレイの画質もこれに勝るとも劣らない。特にHDRコンテンツの表示にも対応する没入感豊かな12.9インチの大画面は、Apple TV+やネットフリックスで配信されている映画やドラマなど映像コンテンツを自宅や屋外など様々な場所で好きな時に楽しむのに最適だ。


Apple TV+やNetflixなどのVODサービスに公開されているHDRコンテンツの再生に対応する。フルスクリーンディスプレイによる高い没入感が味わえるところがiPad Proの魅力だ。

iPad Proには計4基のユニットにより構成されるステレオスピーカーが搭載されている。Dolby Atmosにも対応したことで、音に包み込まれるような迫力ある視聴体験が楽しめた。

ARアプリ体験を高めるLiDARスキャナ


メインカメラがダブルレンズ仕様になったことにはふたつの大きな意味がある。ひとつは超広角レンズが加わることによって写真や動画表現の幅が広がることだ。iPhoneのようにポケットやバッグから片手で素速く取り出せるデバイスの方がカメラを使う頻度そのものは多いと思うが、例えばiPadの超広角カメラで撮影した風景写真をベースにトレーシングしながら風景画を描いたり、iPadらしいクリエイティブな写真の楽しみ方もできそうだ。

もうひとつはARアプリの処理精度が高まることが期待できる。新しいiPad Proには、被写体に目に見えない光の粒子を当てて、反射して戻るまでの時間を距離測定に使う専用設計のLiDAR(ライダー)スキャナが搭載された。ふたつのカメラとLiDARスキャナが連動しながら被写体との距離を正確に測る。これによりARアプリによる体験が第3世代のiPad Proよりも向上していた。


「IKEA Place」アプリでラックの上にスピーカーのARオブジェクトを配置してみる。描画の速さや正確さは申し分ない。

リアルに描画された実寸大の家具商品のARオブジェクトを、iPadのカメラで捉えた実際の部屋の中に置いて模様替えが楽しめる「IKEA Place」アプリで試してみた。オブジェクトの描画や配置操作のレスポンスについては、筆者が所有する第3世代の12.9インチのiPad Proも十分にパフォーマンスが高いため、比べて大きな差は感じられなかった。
次ページ > サードパーティ製マウスなどにも簡単接続

文・写真=山本敦

ForbesBrandVoice

人気記事