住まいの専門家が考え抜いた、リモートワークしやすい家のデザイン4選

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リモートワークやテレワークなど、在宅勤務を導入する企業が日本で増えています。前回の記事で、2020年のトレンドとしてホームオフィスを取り上げました。最近では新型コロナウイルスの影響もあり、いかに自宅で仕事をしやすい環境を整えるかに、大きな注目が集まっています。

住まいの中の仕事場であるホームオフィスは、集中とリラックスの絶妙なバランスが求められます。仕事に打ち込める環境がありつつも、家族や外界とのつながりが求められるホームオフィスは、設計者たちの腕の見せどころともいえます。

今回は、住まいの専門家アワード「Best of Houzz 2020」のデザイン賞を受賞した4つのホームオフィスの作品をご紹介します。「Best of Houzz 2020」は、世界250万人以上いる Houzz の住まいの専門家の中からわずか3%のみが授与される賞です。デザイン賞は、最も人気のあった建築やインテリアデザインを手がけた住まいの専門家、またはプロジェクト写真を撮影した写真家に贈られます。住まいづくりのアイデアの参考にしてみてください。(Houzz JAPAN 編集部より)

「こもり感」が絶妙。ひとりの時間を味わえる部屋



Houzz | 富士ソーラーハウス株式会社

「フリーランスの方が増えてきて、ホームオフィスをデザインする機会も増えています」と話すのは、富士ソーラーハウス株式会社 代表取締役の大澤正美。依頼主には「適度な『こもり感』と大容量の本棚、そして手を伸ばせばすべてに手が届く距離感」を求められることが多いといいます。

今回「Best of Houzz 2020」のデザイン賞を受賞したこちらのホームオフィスは、リタイアされたオーナーの書斎兼、ひとりの時間を楽しめる居場所としてつくられたもの。「廊下の壁面は全面本棚とし、大量の書籍を整理整頓しやすく。デスクは廊下の突き当たりに位置し、『こもり感』があります。吹き抜けに面した障子の開閉で階下とつながったり閉じたり、その時の気分で自由に過ごせる仕掛けになっています」

家の中で、仕事とプライベートを分けるには?



Houzz | 森吉直剛アトリエ photo by Satoshi Shigeta

こちらは、森吉直剛アトリエが手がけたホームオフィス。オーナーはアニメの効果音の制作などを行うクリエイターで、音響室にリノベーションされています。

オーナーからは、「近隣への音漏れがないようにすること。音響機器を極力見えなくしてすっきりさせること」などの要望があったそう。設計した建築家の森吉直剛は、音響機器本体を隣の部屋に設置し、配線を極力見えないようにしています。ほかの部屋も含めて間取り変更のリノベーションを行い、ホームオフィスの位置を近隣住宅から遠い位置に変えるなどの工夫を凝らしたといいます。

ホームオフィスで仕事に取り組むことについて、森吉は「家族との生活の時間などが増えるメリットがありますが、同時に、仕事とプライベートの切り替えも必要になってくる。住まいの中での空間配置や意匠デザインで、切り替えを実現することが建築家に求められている」と話します。
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文=Houzz JAPAN編集部

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