同社は今後の生産拡大により、さらに多くのN95マスクを出荷する予定という。3MのCEOのマイケル・ローマンは、世界の製造拠点でN95マスクの増産体制を整え、月あたり1億枚の出荷が可能なレベルに引き上げたと宣言した。そのうち3500万枚が米国内での生産という。ミネソタ州本拠の3Mは、サウスダコタ州アバディーンでこれらのマスクを製造している。
「当社は可能な限り生産キャパシティを拡大し、異例の需要に応えようとしている。当社のプロダクトを必要とする人々のニーズを、一刻も早く満たしていく」と、ローマンはリンクトインの投稿で述べた。
米国で生産されるN95マスクの90%以上が医療従事者向けで、残りの10%はエネルギー分野や食品、化学分野で利用されている。
米国では3月18日の法改正により、工業用のN95マスクでも、条件を満たすものであれば医療現場で使用できるようになった。N95マスクは、空気中の粒子状物質の95%を除去可能になっている。マイク・ペンス副大統領は今回の法改正で、3Mとハネウェル(Honeywell)が、数千万枚のマスクを病院向けに販売可能になると述べた。
3MによるN95マスクの製造キャパシティは現在、年間11億枚程度だが、今後は20億枚レベルに引き上げるという。「当社は米国をはじめ、その他の国の政府と連携をとりつつ、他社とも協力し増産に務めていく」とローマンは続けた。
昨年は売上320億ドル(約3.5兆円)を記録した3Mは、N95マスクの製造における主要企業の1社だ。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、医療向けのN95マスクは品薄状態が続いている。
ローマンは2018年7月から3MのCEOを務めている。