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2020.03.23 17:00

医療用マスクN95が品薄、米スリーエムが年20億枚を製造へ

Photo by Justin Sullivan/Getty Images

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米国の製造業大手の3M(スリーエム)は、50万枚以上の医療従事者向けマスクN95を、ニューヨークやシアトル地区向けに出荷したと宣言した。

同社は今後の生産拡大により、さらに多くのN95マスクを出荷する予定という。3MのCEOのマイケル・ローマンは、世界の製造拠点でN95マスクの増産体制を整え、月あたり1億枚の出荷が可能なレベルに引き上げたと宣言した。そのうち3500万枚が米国内での生産という。ミネソタ州本拠の3Mは、サウスダコタ州アバディーンでこれらのマスクを製造している。

「当社は可能な限り生産キャパシティを拡大し、異例の需要に応えようとしている。当社のプロダクトを必要とする人々のニーズを、一刻も早く満たしていく」と、ローマンはリンクトインの投稿で述べた。

米国で生産されるN95マスクの90%以上が医療従事者向けで、残りの10%はエネルギー分野や食品、化学分野で利用されている。

米国では3月18日の法改正により、工業用のN95マスクでも、条件を満たすものであれば医療現場で使用できるようになった。N95マスクは、空気中の粒子状物質の95%を除去可能になっている。マイク・ペンス副大統領は今回の法改正で、3Mとハネウェル(Honeywell)が、数千万枚のマスクを病院向けに販売可能になると述べた。

3MによるN95マスクの製造キャパシティは現在、年間11億枚程度だが、今後は20億枚レベルに引き上げるという。「当社は米国をはじめ、その他の国の政府と連携をとりつつ、他社とも協力し増産に務めていく」とローマンは続けた。

昨年は売上320億ドル(約3.5兆円)を記録した3Mは、N95マスクの製造における主要企業の1社だ。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、医療向けのN95マスクは品薄状態が続いている。

ローマンは2018年7月から3MのCEOを務めている。

編集=上田裕資

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