ニューヨークは、道路に自転車専用レーンを設置することで車文化からの脱却を検討している。サンフランシスコでは既に、市内中心部への自家用車の乗り入れが禁止されている。セビリアやパリなどでは、2024年までに市内道路の100%が自転車優先となる。
自転車では寒さが心配だと言う人もいるだろう。だが極寒のフィンランドでは、寒いのは天気が悪いからではなく、着る服を間違えているのだと人々は言う。他の寒冷地にあるコペンハーゲンやアムステルダムなどでも、2030年までに従来型の内燃エンジン車を禁止する計画だ。英国ではディーゼル車、ガソリン車、ハイブリッド車の販売禁止の開始時期を5年前倒しして2035年とした。
今年は、欧州の多くの国で大都市の中心部から車が締め出される。スペインではポンテベドラやバルセロナに続き、多くの都市が住民のみが車を乗り入れられるエリアを整備した。一方、車文化が一種の宗教となっている米国では、別の角度から歩行者に優しい道づくりを目指す取り組みが一部の都市で進んでいる。
ここから読み取れるメッセージは明らかだ。都市の健康を害し、値段も高い車は、街から締め出すべきだ。自転車と歩行者用に都市を作り直すのもひとつの解決法だが、同時に道路を歩行者と自動運転車のために再設計する必要もある。そのためには、魅力的な公共交通機関を整備し、よりインテリジェントかつ多機能で、リアルタイムのデータを活用するものにする必要もある。