挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

「私の信条は、性善説経営。部下を怒らないと決めているんです。失敗したい人なんてひとりもいない。もし、誰かがつまずいていたら、目の前にある小石を取り除いてあげればいい。そうすれば、みんな前に進んでくれる。誰もがうまくやりたいと思っているんですから」

穏やかな口調でそう語るのは、常務執行役員コンシューマー・サービス・公益営業統括本部長の三戸。今でこそ「仏」のような言葉を話す三戸だが、30代前半は部下に厳しく、「鬼」と呼ばれるほど、激しいマネジメントをしていた。

柔和な表情で包み込むような笑顔を見せる、この男からは想像もつかない過去。一体、何が彼を変えたのか。三戸のキャリア遍歴と現在に至るまでの軌跡に迫る。

IBMで22年、「本質」を学ぶ

三戸のキャリアは日本IBMから始まる。

「昔から機械に興味があって電子部品を見たり、触ったりすることが趣味でした。就職活動をする際、日系製造メーカーに勤めていた父に“コンピューターに関わる仕事がしたい”と相談したところ、IBMについて教えてもらったことをきっかけに選考を受けてみようと思いました」

日本IBMに入社した三戸は1500人ほどいた新卒社員の中から、国内屈指の自動車メーカーの営業を担当するチームに抜擢される。順調に成果をあげ、アメリカに4年半駐在する経験もする。日本IBMで同じクライアントを22年間も担当した経験から多くのことを学んだ、と三戸は振り返る。

「昔、ある担当の方から激怒されたんです。『この提案の本質は何だ。コスト削減は手段ではないか?その先にうちの会社にどうなってほしいんだ?』と。今思えば、試されていたんだと思います。『我々の会社を任せるに値する人間かどうか』と」

同自動車メーカーは、揺るぎない価値観を貫くことで、当時から世界屈指の販売台数を誇っていた。自社を担当する相手に対する期待値の高さは並ではない。しかし高い要求に応え続けることで、三戸は営業として大きく成長を遂げていく。

そして、「営業を育てて下さるのはお客様しかいない」ということを学ぶ。

その後、三戸はソフトウェア製品を担当する組織に異動。4年後には事業部長となり、最終的にはあるブランドの総責任者に抜擢される。マーケティングから、セリング、ポストセールス、サポートまで、アカウントセールスとは別軸の経験を積んだ。

順風満帆にキャリアを重ねてきた三戸だが、2014年に転機が訪れる。

セールスフォース・ドットコムへ転職したのだ。一体なぜ彼は自ら安定したキャリアを手放したのだろうか。

「外資系企業は、箸の上げ下げから細かく本社からお達しがくることが多い。言われたことを忠実にやることが重視されるんです。そのような環境下『自分がやらなくてもいいのでは』と思うこともあり、裁量を求めていたんだと思います」

しかし、自由を求め「外資」を出たはずなのに、なぜ再び「外資」を選択したのか。日系の事業会社でこれまでのキャリアを活かす道もあったはずだ。セールスフォース・ドットコムを転職先に選んだ理由について三戸はこう振り返る。



「日本支社の裁量が大きかったんです。当然、同じグループとしての連携や掲げた目標に対するコミットメントはありますが、日本の施策や戦略については日本支社に任されている。外資なのに、日本で独自の戦略を立てて、マーケティングから組織体制の構築から全部自分たちで推進していく。

もしそれで成功することができれば、日本の外資系企業に相当なインパクトを与えることができると思ったんです。それに、セールスフォース・ドットコムでは、創業者をはじめ社員一人ひとりが本気で企業理念やバリューを体現している。そんな会社はなかなかないかなと」

腹落ちしなければ、顧客に伝わらない。答えは「原体験」

現在、三戸はセールスフォース・ドットコムで特にBtoC事業を展開する顧客開拓に注力するコンシューマー・サービス・公益営業統括本部を統括している。

同部署は、消費材・流通・インターネットサービス・百貨店・通信キャリアなど、多岐にわたる業種に対峙する。セールスフォース・ドットコムの中でも新しい領域を開拓する組織だ。

これまでセールスフォース・ドットコムはBtoB事業を展開する企業との取引がメインだった。しかし、ここ5年程でデジタルマーケティングやECプラットフォームなどの企業を買収し、Salesforceの機能を拡張してきた。結果、BtoC事業を展開する企業からのニーズが増え、それに応えるかたちで同部署が生まれた。

今でこそ、セールスフォース・ドットコムの柱の一つを担う組織となったが、設立当初はBtoC事業者向けの実績が乏しいことから、業績が振るわなかったそうだ。その原因は、実際に自分たちのプロダクトがどのような体験を顧客に提供しているのか知らなかったことに起因するという。

「我々自身が腹落ち感がなければ、顧客に伝わるはずがない」。そう気づいた三戸が出した答えは、「自分たちが客になる」という原体験戦略だった。

どういうことか。「あるオランダのスーツ会社がSalesforceのBtoCプラットフォームを使って顧客エンゲージメントを高めることに成功している」と聞いた三戸は、実際にサンフランシスコの店舗に客として足を運びスーツ会社のマーケティング施策を体験した。

アンケートメール、世界中の店舗のサイネージに表示される「〇〇店の〇〇さんがお客様からこんな評価をいただきました」というコメント、後日届くパーソナライズされた提案、コールセンターのサポート、チャットボットでのやり取り、サービスセンターからのフォロー。こうした一連の施策を自分が客として体験し、どう感じたか。何が良かったのか。原体験をもとに三戸は営業資料を作成した。

その資料のおかげで、メンバーたちは営業先で製品の話ではなく、三戸の体験記を語ることができた。結果的に営業も顧客も腹落ちし、同部署の業績は右肩上がりに。そして、三戸の「原体験資料」をもとに提案する文化が定着した。



「性善説」でチームをマネージする、鬼上司と呼ばれた男

組織運営で三戸が大切にしている性善説経営。前職では、一時期厳しく部下を指導していたが、あるとき、このような話に出会う。

昔、あるところに老夫婦がいました。おじいさんは会社に行くとき、突然おばあさんにこう言いました。「お前と別れたい」。「なんで?」とおばあさんが聞くと、おじいさんは感情的にこう言いました。「俺が会社に行くとき、お前は一度も“いってらっしゃい”と言わなかった。俺はそれが嫌だった」。それを聞いたおばあさんは、静かにこう言いました。「それはあなたが、“行ってきます”と言わなかったからよ」

この話を聞いた三戸は、180度、考えを改めた。

「全てのことは自分が変わらない限り何も変わらない。そう思ったら攻撃的な態度をとったり怒ったりすることができなくなりました。自分にも絶対に何かしらの原因があるはずだから。それを直さない限り相手も変わらないと思ったのです」

以後、三戸は部下を叱らないと誓ったのだ。

そんな三戸らしさが詰まったエピソードをいくつか紹介したい。あらゆる業種の顧客を担当するコンシューマー・サービス・公益営業統括本部として新たな市場を創出すべく、3年前から1泊2日の合宿「オフサイトミーティング」を実施している。これには営業もSEも参加し、部門の垣根を取っ払って実施している。

ここでは、営業もSEも顧客になりきって、あらゆる業種業態の企業とビジネスをつくるワークショップを行う。そこで生まれたアイデアを実際の顧客にぶつけて新しいビジネスが生まれることもあるというのだ。

他にも、オフサイトミーティングでは地方創生をテーマにしたアイデアも生まれ、事業化に向けて計画が進んでいるものも、いくつかある。「多様な取引先のその強みを活かして、社員に新しいデマンドをつくる楽しさを感じてもらいたい」そんな三戸の想いは、社員のエンゲージメントを高めることに成功している。

ただ、これだけで三戸は満足してはいない。

「ちょっと変な表現ですが、日曜日の夜、『明日になれば三戸さんに会える』と思ってくれるメンバーが増えたら、何もしなくても組織の数字は上がると思っています(笑)。

というのも、ここで働くことを楽しいと思える人は、他人にも興味が持てるはずだからです。そうすれば、一人ひとりが重なる面積がどんどん広がっていく。そんな助け合いの文化をつくりたいです」

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