これからの生き方、11のマイルールと、12の「〇〇しない」リスト|乳がんという「転機」#14

北風祐子さん(写真=小田駿一)


これからの生き方、マイルール


2017年7月6日。結局、家族と友人がすべて。あとのほとんどのことはどうでもいい。が、一応、これからの生き方マイルールを書き留めておきたい。

✔️やりたいことだけをやる。
✔️好きな人とだけつきあう。
✔️有機野菜、有機果物、玄米か胚芽米、全粒粉、肉より魚、丸ごと。ゆっくり噛んで食べる。
✔️減塩、減脂、減砂糖
✔️ウォーキング、運動
✔️腹式呼吸、毒は吐ききる。
✔️ストレスからは全力で逃げる。
✔️化学物質は極力除去する。
✔️家事を分担して睡眠時間を確保する。
✔️夕食を楽しんで作れる時間に帰る。
✔️時間の過ごし方をハイクオリティにする。質にこだわる。食事、睡眠、住環境、衣類など

「何か感じてくれれば」異動の挨拶


2017年7月8日。7月から会社での立場と持ち場が変わったので、所属部署の200人の前で異動の挨拶をした。乳がんの手術をして、今日から復帰した、と公表した。大勢の前で「左乳房全摘」という言葉を発する変なおばさん、と思った人がいたかもしれないが、構わない。

この3カ月の経験を経て、世界がまるで違って見えること、たとえば「みじめな気持ち」「弱気」といった、これまで無縁だった感情をたくさん経験したこと、生還できて仕事ができる喜び、純粋にいい仕事をしたい、そしてみんながいい仕事ができるように手伝いたい、関わる人の数がさらに増えるので、一人一人と丁寧に向き合いたい、と話した。聴いてくれた人たちが、なんでもいいから何か感じてくれれば、と思った。

検診受けなきゃ。とか、
帰ったら妻に検診をちゃんと受けているかきいてみよう。とか、
この会社っていろんな人がいるんだな。とか、
このおばさんはどうしてこんな大勢の前でこんな話をしているのだろう。とか。

これからの人生ではやりたいことだけをやる、と決めているので、話したいことを話せてすっきりした。

「人目なんか気にせずやりたいようにやれ」


やりたいことを思いっきりやって思春期を謳歌している息子には、「人目なんか気にせずやりたいようにやれ」とよく言われるようになった。

「気が進まないメールに、無理して返信なんかしなくていい」
「スーパーの袋に入りきらなかった長ネギを、反対の手に握って道を歩いても恥ずかしくなんかない、堂々と握ればいい」
「それはママが謝ることじゃないんだから、ごめんなんて言う必要ない」
「ママが乳がんの本を出すなら、本名で出すべきだ。旧姓やペンネームじゃだめだ」
と、常に強気の指導が入る。

そもそも息子は私から生まれてきたわけだから、私だってもともと人目を気にするタイプではない。それなのに、もっともっと自分の意のままに話し、動け、と息子は言う。病気に勝つためにも、息子の指導に従ったほうがよい気がしている。
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文=北風祐子、写真=小田駿一、サムネイルデザイン=高田尚弥

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乳がんという「転機」

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