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乳がんという「転機」

北風祐子さん(写真=小田駿一)

新卒で入った会社で25年間働き続け、仕事、育児、家事と突っ走ってきて、「働き方改革」のさなかに乳がんに倒れた中間管理職の連載「乳がんという『転機』」第14回。

職場復帰、厳禁づくし


2017年6月26日。晴れて本日より職場復帰した。傷はまだ痛いので、朝、満員電車で人がぶつかってくると痛いだろうなあ……。というのが一番の懸案事項だったが、なんとかクリアして、机にたどりつくと、おかえりなさいのバルーンで飾られていた。部員の皆さま、ありがとう! 長らくご迷惑をおかけしました。

大病とのことで、社の復帰支援プログラムを遵守しなければならない。今週は午前中までの勤務、来週は15:00まで、今日から1カ月は、館外業務厳禁、直行直帰厳禁、出張厳禁、社外研修厳禁、宴席厳禁、厳禁、厳禁、厳禁尽くし。

館外業務厳禁ということで、取引先にご挨拶にも行けないことが判明し、少なからずショックを受けている。が、私にとってはすべてが初めての経験で、自分のことでありながら、何をどこまですればどんな負荷がかかるのかがわかっていない。一方会社は、たくさんのケースを知っている。ここはおとなしく従うべきかな。

2017年7月5日。術後56日目、腕が、やっとここまで上がるようになった。(ちなみに、左乳房全摘、センチネルリンパ節生検のためにリンパ節を一つ摘出した)

乳がん 腕

術後11日目と比べると、ずいぶん手が伸ばせるようになった。イテテと引っ張られる痛さがほとんどなくなったのが、なによりうれしい。

心がけたことは、自称「生活内リハビリ」。傷の痛みがやわらいだ頃から、リハビリ体操ではなく、家事の動作のなかで、ことあるごとに左腕にチャレンジをさせた。リハビリ体操はルーティンすぎて飽きてしまった。

高い所のモノをとる。掃除機をかける。お風呂の壁を磨く。ちょっと痛くても、全部左手で。重い荷物はリンパ浮腫の敵なので持たないが、それ以外は左腕を意識して上げるようにした。

親友で医師のMから、傷の部分の皮膚を柔らかくするためにも肩を回すのはいいことだ、とアドバイスを受けて、毎日肩全体を大きく回すようにした。

コツコツ。コツコツ。一歩一歩。一歩一歩。苦手なコツコツが実ってうれしい。

文=北風祐子、写真=小田駿一、サムネイルデザイン=高田尚弥

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