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:「まずやってみる」というと、最近ではバイトダンスが実施した「映画の買い上げ」が話題となりました。感染拡大の影響で、書き入れ時である春節(旧正月)の客足が伸び悩んでいることを受けて、バイトダンスがひとつ大型映画の放映権を購入。動画サイト上で無料公開したんです。

この取り組み、当初は画期的な取り組みとして話題となったのですが、実は期待したほどあまり観られているわけではないという声もあって。その反面で盛り上がったのが「ライブ配信」サービスでした。たとえば中国では、美容系インフルエンサー配信から購買に繋がるケースが多く、いままで動画に手を出さなかったアッパーブランドでもライブ配信を始めるといった変化が生じています。

尾原:さまざまなブランドで、重い腰をあげるきっかけになった、と。

:はい。さらにもう1つ、盛り上がりを見せる産業が「自動車」。今回の感染拡大を受け、公共交通機関に頼りきるのではなく、自ら移動手段を持つことの重要性に気づいた国民が多い。そういった需要を受け、感染がおさまったあとの「爆買い」を狙い、一部の自動車会社はライブ配信をやりつつ、そこで車の試乗チケットを売っているんです。

尾原:いまから騒動後の「初動」を仕込んでいるんですね。

先行き不透明のなか、これから考えるべきこと


イベントの最後には、登壇した各人より、今後の中国の展望や個々人のビジネスにおける所感が語られた。

:やはり今回の感染拡大を受け、これまで強烈にスポットを浴びていなかったリモートワークや、ドローンなどの産業に注目が集まっていることを感じています。たとえば中国の火鍋屋さんで走っているロボット1つとっても、最初はエンタメ的な意味でも、「人と接触しない」だけで再評価されたり。これからも、新たなテクノロジーの台頭に注視していきたいと感じています。

藤井:今回はポジティブな側面をクローズアップしましたが、株価は下がり続けていますし、toBでビジネスをするなかで、さまざまなアクシデントが発生しています。ただ、こういった機会だからこそ見つめ直すこともあると感じていて。たとえばメーカーは、工場を中国からよりコストの低い国に移転することを検討するいい機会だと思っています。苦しい部分はありますが、あらたなビジネスの加速や転換に期待したいです。

尾原:最後になりますが、復興フェーズに入ったとき、世界が中国に対して何ができるのかを考えられるといいのかなと思っています。僕は普段から中国人とビジネスをしていますが、彼らは深い関係になると情に深く、恩を忘れない人びとだと感じていて。中国の復興を中心に世界中でコラボレーションが起これば、新たなイノベーションが起きるのではないかと期待しています。

まだまだ予断を許さない状況ですが、僕自身としてはこれからも、その中に生まれる明るいニュースも紹介していきたいですね。

構成=半蔵門太郎

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