ビジネス

2020.03.20 17:00

「企業大絶滅時代」のCEOに求められること


──あなたは現在、67歳ですが、テック企業間の競争が激しい西海岸で精力的に活動しています。2009年にタンザニアのサファリで、脚を失いかねないような大事故に遭ったそうですね。

What doesn’t kill us makes us stronger(あらゆる経験は人を強くする)。(ゾウに襲われ)大けがを負い、19回に及ぶ再建手術を受けた。1年以上、車いす生活を送り、何年間もリハビリに励み、ようやく元の生活に戻れた。現在、体調は万全だ。

朝5時に起き、13~14時間働く。AIなしには解決不能だった問題を解決すべく、やりがいのある大プロジェクトに取り組み、欧米やアジアなどの優秀な従業員や、成功している顧客の企業と働く機会にも恵まれている。逆境も経験したが、克服した。

──デジタル変革に取り組む日本のCEOにメッセージを。

まず、本を紹介したい。拙著以外では、ペドロ・ドミンゴスの『The Master Algorithm』(『マスター・アルゴリズム』未邦訳)と、カイフー・リー(李開復)の『AI Superpowers』(『AI超大国』未邦訳)だ。CEOは、慣習を打破する反逆者であれ。突出した存在として、自ら「出る杭は打たれる」ような存在にならなければいけない。強力な指導力で事業を変革し、その業界をリードする必要がある。そうすれば、他企業も追随するはずだ。


トーマス・M・シーベル◎シカゴ生まれの実業家。1993年にソフトウェア企業シーベル・システムズを創業し、2006年、オラクルに売却。現在は企業向けAIプラットフォームを提供するC3.aiの創業者兼CEO。顧客に3M、ロイヤル・ダッチ・シェル、米空軍など。現在の総資産は30億ドル。

インタビュー=肥田美佐子

この記事は 「Forbes JAPAN 4月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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