香港政府、新型コロナ感染者の監視にウェアラブル技術を活用

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香港政府は、新型コロナウイルスの感染者の監視にウェアラブル技術の活用を開始した。政府は中国の湖北省などを訪問した人の手首に、タグ付きのリストバンドを装着し、位置を追跡している。

筆者は以前の記事で、中国が世界に先駆けて都市封鎖の監視にドローンを導入したことを報じたが、その後はスペインなどもこの動きに追随した。感染拡大の防止に向けて、新たなテクノロジーを導入する流れは、今後も加速していきそうだ。

香港で導入されたリストバンドは、隔離に耐えられなくなった患者が出歩かないよう監視するためのものだ。リストバンド内部のICチップが患者のスマホと連動し、異常を検知した場合、当局にアラートが送信される。

香港政府は2月からこのオペレーションを開始し、わずか1カ月でリストバンドの量産体制を整えた。香港のイノベーション担当長官のNicholas Yang Wei-hsiungは、「アウトブレイクを監視するためのシステムを整備した」と述べた。

政府は湖北省だけでなく、中国本土に滞在履歴のある人々にリストバンドの装着を求めている。現地の工場は月に3000個のリストバンドを製造可能という。リストバンドは専用アプリと連携して作動し、許可なく自宅から離れた場合、警察が追跡するという。

香港政府は「新型コロナウィルス対策部隊」を新たに立ち上げ、200人の警察OBと現役警察官らが参加している。

中国が感染拡大防止にむけ、ドローンを用いた監視を始めた際には、その効果を疑問視する声もあったが、結果的には他国も従った。今後、世界で感染がさらに拡大した場合、欧米でも香港と同じリストバンドが導入されても全く不思議ではない。

編集=上田裕資

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