3月18日、テスラの人事部は従業員宛のEメールで「当社は政府の別の部門から、異なる内容のガイドラインを受け取っている」と述べた。同社は「必要不可欠な業務」を行う従業員らは、これまでと変わらず業務を続行するよう呼びかけた。
ここでいう必要不可欠な業務とは、生産やサービス、車両のデリバリー、テスト、サポート業務などとされている。
しかし、アラメダ郡の保安官事務所は3月17日のツイッターの投稿で、テスラのフリーモント工場の作業は、郡の保健当局が定める必要不可欠な業務には含まれないと述べていた。
当局によるとテスラが続行を許されるのは、給与支払いや設備のメンテナンスなどの最低限の業務であり、「車両の組み立ては必要不可欠な業務ではない」と、保安官事務所の広報担当は指摘した。
「仮にテスラがオペレーションを続行するのであれば、彼らはカリフォルニ州が定める規定に違反することになり、そこから生じる事態への対応を迫られる」と広報担当者は述べた。
アラメダ郡の保安官事務所は3月18日に、テスラ側と話し合いを行うという。フォーブスはフリーモント市長のリリー・メイと、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。テスラからもコメントの要請に対する返答はなかった。
フリーモント工場はテスラの米国西海岸における最大の製造拠点で、1万人以上が勤務し、モデル3やモデルX、モデルYなどを製造している。同社は3月16日に「今週からモデルYの納車を開始した」とツイートしたばかりだ。
GMら大手3社は北米の工場を休止
テスラは従業員らに、体調が思わしくない場合は在宅で勤務することを呼びかけ、有給休暇の取得も奨励していた。
フリーモント市が属するアラメダ郡は3月16日、サンフランシスコ市やサンタクララ郡とともに、住民らに対し、必要な場合を除いての自宅待機を求める命令を下した。新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐためのこの規制は、生活に不可欠なビジネスのみの継続を許可するものだ。
これとは別の動きとして、GMやフォード、フィアット・クライスラーらは3月18日、全米自動車労働組合(UAW)の要請に応じ、北米の全工場を休止すると発表した。ホンダも3月23日から6日間の予定で、北米工場を休止すると宣言した。