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Photo by Noam Galai/Getty Images

米国の映画館は過去数十年の間、独占的ポジションを保ってきた。新作の上映にあたっては、公開から90日間は劇場のスクリーンに限定され、ストリーミング配信が可能になるのはそれ以降とされてきた。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によりその独占に終止符が打たれることになった。NBCユニバーサルは4月10日に公開予定のアニメーション映画「Trolls World Tour」を、劇場と同じタイミングでオンラインでも視聴可能にする。

また、既に公開中の「透明人間」「The Hunt」「Emma」の3作品も、早ければ3月20日から19.99ドルで48時間の期限付き視聴が可能になる。

NBCユニバーサルCEOのJeff Shellはプレスリリースで「当社は映画の公開を延期したり、限られたエリアのみで上映するのではなく、手頃な価格で家庭内で楽しむオプションを提供することにした」と述べた。

「当社としては人々が劇場で映画を楽しむことを願いたいが、世界各地で映画館に足を運ぶことが困難になりつつある」

ディズニーは先週から、当初の予定を数カ月前倒しして「アナと雪の女王2」のストリーミング配信をDisney+で開始した。昨年11月に公開されたこの作品は、世界で14億ドル(約1500億円)以上のチケット売上を記録し、アニメ映画としては過去最大の売上を達成した。

感染拡大を受けて、米国の大手映画チェーン3社(AMC、リーガル、シネマーク)は全ての米国の映画館を閉鎖している。

映画館の閉鎖により、今後は映画のストリーミング限定での公開が加速するとの見方も浮上した。しかし、映画館オーナーらが加入する業界団体NATOはこの見方を否定し、「そのような予測は、これまで映画業界を成立させてきた財政上のロジックを無視している」と述べた。

「劇場での先行上映の決まりが破られる事態が続けば、映画スタジオは巨大な損失を抱えることになる。ごく限られたタイトルが、ストリーミングでの先行リリースを許されたとしても、状況が落ち着き次第、従来通り新作の公開は映画館に限定すべきだ」とNATOは述べた。

業界団体の試算によると、映画館の閉鎖によって生じた損害は初期の段階で70億ドルに達しており、5月までこの状況が続いた場合、さらに100億ドルの損失が生じるという。

ハリウッド・レポーターは3月13日、感染拡大の影響でハリウッドの映画業界が被る損失が200億ドル(約2.1兆円)に達する可能性を指摘した。

編集=上田裕資

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