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調査企業eMarketerのレポートで、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業らが中国でのマーケティングに投じる広告費が大幅に減少する見通しが明らかになった。この余波は米国の広告業界にも及ぶかもしれない。

eMarketerのアナリストのJasmine Enbergは、中国における広告出稿費がこれまでの予想を下回る見通しだと述べた。同社の以前の予想では、2020年の中国での広告出稿費用は約1211億ドル(約13兆円)とされていたが、1140億ドル程度にとどまる見通しという。

広告費用の伸び率は年間8.4%にとどまる見通しで、2011年以降で最低の伸び幅になりそうだ。Enbergによると、新型コロナウイルスのみが景気減速の理由ではなく、中国経済は感染拡大が進む以前から既に減速しつつあった。

米国においても広告費用の減少が見込まれている。調査企業MoffettNathansonのアナリスト、Michael Nathansonは今年の米国における広告費用が、260億ドル(約2.8兆円)近く減少する可能性を指摘した。特にデジタルプラットフォームへの打撃は大きく、減少幅は110億ドル近くに達する恐れもあるという。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)は近年、サブスクリプション会員を伸ばしているが、同社CEOのマーク・トンプソンは3月2日、感染拡大の懸念の高まりの中で広告収入が減少しつつあると述べていた。

広告費の減少はテレビ業界にも打撃を与えそうだ。ニールセンは今年のテレビ広告費用が80億ドル減少する可能性を指摘した。

大規模なスポーツイベントの開催中止も相次いでおり、テレビ局はライブスポーツ中継から得られるはずだった広告費を失った。メジャーリーグ(MLB)も開幕を延期し、早くても5月中旬以降になる見通しだ。さらに、東京オリンピックについても開催延期に向けたプレッシャーが高まっている。

米国の大手テレビネットワーク各社は毎年5月中旬に、広告主向けの新番組発表会を開催しているが、3月12日にCBSやNBCユニバーサル、Foxらは今年のイベントをオンライン限定で行うと宣言した。

米国の広告業界は逆風に直面することになりそうだが、eMarketerのアナリストのEnbergは「広告費の大半は年末のショッピングシーズンに注がれる。それまでに状況が改善していることを望みたい」と述べた。

編集=上田裕資

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