ストップ・アンド・ショップは、これによって高齢者は、ほかの客が来る前の最も清潔な時間帯に買い物を済ませられると説明している。また、混雑の緩和にもつながり、「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)」も実践しやすくなるとしている。
ストップ・アンド・ショップの社長、ゴードン・リードは16日の声明の中で「今ほど、私たちがコミュニティーとして団結して、困難に見舞われた際にお互いに支え合うことが大切な時期はありません」と強調。「COVID-19に最も脆弱な隣人を思いやり、支えることもその一つです。CDC(米疾病対策センター)によれば、60歳以上の方々がそれに当たります」と述べている。
ストップ・アンド・ショップはマサチューセッツ、コネティカット、ロードアイランド、ニューヨーク、ニュージャージーの5州で計400店ほどを展開する。高齢者向けの営業時間帯は毎日設け、専用の入り口から入ってもらうようにする。店側としては年齢を証明するものの提示を求めないものの、従業員には対象年齢でない客に退店を求める権利があるとしている。
全米各地のスーパーなどではこのところ、食品やトイレットペーパーといった必需品を買いだめしようと客が殺到し、混雑するのがありふれた光景になっており、今回の措置はそれに対応したもの。高齢の客が新型コロナウイルスに汚染されたショッピングカートに触れたり、その保菌者と濃厚接触したりすれば、命を落とす恐れもあるからだ。
COVID-19を巡ってはオーストラリアでも、大手スーパー数社が午前7時から8時までを高齢者や障害者向けの時間帯にすると明らかにしている。
ウォルマート、トレーダー・ジョーズ、パブリックスといった全米規模のスーパーは、従業員が店舗の清掃消毒や棚の商品補充にもっと時間をかけられるように、軒並み営業時間を短縮している。クローガーなどは従業員を積極的に増やしており、16日にはアマゾン・ドット・コムも需要の高まりに対応するため、倉庫や配送業務に携わる従業員を新たに10万人採用すると発表している。
高齢者はもちろん、アマゾンやウォルマート、インスタカート、あるいはストップ・アンド・ショップ系のピーポッド(Peapod)といったネット通販も利用できるわけだが、ユーザーの報告によると、需要増の影響で配送時間は延びたり、めどが立たなくなったりしていることが多いようだ。