感染拡大で追い風のゲーム業界、任天堂のスイッチ新作に注目

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、学校の休校や企業の在宅勤務の導入などが拡大した結果、米国では先週末から有名ゲームのプレイヤー数が急激に増加した。

最も有名なゲーム配信プラットフォームSteamの同時接続プレイヤー数は3月15日、過去最大の2千万人を突破したことが、SteamDBのデータで示された。

現在、Steam上で最大の人気となっているのは、運営元のValveが2012年にリリースした「カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)」だ。3月15日の同時接続プレイヤー数は約1023万人となり、2月に達成した記録を100万人も上回る史上最大の数値を記録した。

CS:GOはeスポーツ業界でも注目のタイトルだが、感染拡大の影響でイベントの中止が相次ぎ、2月末から開催されたインテル・エクストリーム・マスターズは無観客試合で実施された。しかし、オンライン中継の視聴者数はピーク時に100万人を突破し、eスポーツ史上最多の視聴者を獲得した。

アクティビジョン・ブリザードの新作「Call of Duty: Warzone」も、3月10日にPlayStation 4/Xbox One/PC向けにリリースされてから3日間で1500万人のプレイヤーを獲得し、昨年の「Apex Legends」を上回る支持を獲得した。

ゲーム人口の増加は特に、感染拡大の被害が大きい中国やイタリアで顕著になっている。テレコム・イタリアのCEOはブルームバーグの取材に、ネットワークのトラフィックが70%も増加し、その大半がフォートナイトのプレーヤーによるものだと述べた。

中国最大級のゲーム実況動画プラットフォーム「Douyu」(斗魚直播)でも、視聴者数の増加が確認された。しかし、市場の混乱はゲーム業界にも波及し、アクティビジョン・ブリザードの株価は年初から9%の下落となり、中国でハードウェア製造を行う任天堂の株価も大幅に下落している。

一方で、任天堂はスイッチ向けの新作ゲーム「あつまれ どうぶつの森」を3月20日に発売する予定だ。人々が外出を控えるなか、リラックスムードあふれるこのゲームが大きな支持を集めることが期待される。

編集=上田裕資

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