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2020.03.20

「GAFAにどう立ち向かうのか?」 7つの視点で考えるテンプレ回答

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グーグルを紐解く



アルファベットが発表した2019年の年次報告書より

ではこれらの視点をベースに、私が挑戦しているAR市場を軸に、大手各社を分析してみたいと思います。まずはグーグルから(5〜7は一般論なので割愛)。

1. 得意収益軸:年次報告書の「Revenue」パートを見ると、グーグル広告が収益の8割強を占めていることがわかります。ユーチューブ広告もそこそこの収益シェアを占めています。ただ、広告が主軸であることから、YouTube Premiereのようなサブスク事業が大きく立ち上がっている見通しが未だありません。

改めてグーグルは広告企業であり、サブスク企業ではないと言えるでしょう。スタートアップが突くとしたら、グーグルの事業領域でサブスク展開で急成長を狙える製品だと説明できるかもしれません。

2. ハードウェア展開と、3. 失敗したサービス一覧:次にグーグルが失敗してきた製品を適当な記事で確認してみましょう。(こちらの記事より抜粋)

Google Wave、Orkut、Google+、Google Hangouts on Air、Google Answers、Google Catalog Search、Dodgeball、Google Notebook、Google Page Creator、Google Video、Google Glass、Daydream etc…

4. 自社領域の特性と時勢:現在、グーグルのハードウェア製品と言ったらPixelシリーズが有名でしょう。かつてはGoogle GlassやDaydreamのようなグラス端末やヘッドセットを開発してXR市場へ参入をしてきましたが上手く立ち上がっていません。そのため、同社は「モバイルAR戦略」へと大きく舵を切っています。

「広告企業」「Pixel」を組み合わせ、当分はモバイル市場を活用したAR広告戦略を打ってきそうな予感がしそうです。逆に言えば、モバイルAR広告以外の領域ではスタートアップも戦える領域があると言えるかもしれません。

フェイスブックを紐解く



フェイスブックが発表した2019年第4四半期結果資料より

続いてはフェイスブック。

1. 得意収益軸:フェイスブックはSNSを活用した広告企業であることが一目瞭然です。ほぼ100%広告。グーグルが苦手とするSNS領域に特化した「広告企業」とした不動の地位を得ています。ちなみにフェイスブックもグーグルのような巨大IT企業の脅威にさらされながらも、ハイパーフォーカスを武器に成長してきました。

2. ハードウェア展開:さて、ハードウェアではVR領域(Oculusシリーズ)で秀でています。2017年の開発者会議「F8」でARプラットフォームを構築していると発表したことや、マーク・ザッカーバーグ氏のブログ投稿で2020年代に画期的なARグラスをリリースすると宣言したことから、Oculusシリーズと同様の展開を見せそうです。ハードウェア(ARグラス)と広告を組み合わせた戦略を仕掛けてくるかもしれません。
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