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あらゆることに対する気配りがビジネスリーダーには求められている。昨今の職場では、「スメルマネジメント」なる言葉も浸透してきた。

着るだけで汗臭と加齢臭をカットしてくれる。そんな夢のようなウエアについて、Airbus Venturesの投資家が商品開発の担当者と語り合った。


「ザ・ノース・フェイス」や「ヘリーハンセン」「エレッセ」などの国内商標権をもち、日本市場にフィットしたオリジナル企画商品で売り上げを伸ばしてきたゴールドウイン。同社が自前の開発力を生かして育ててきたブランドが「MXP」だ。そのウエアは、体臭を消してくれるという。

プロダクトディレクターの村井絢子が投資家の彦坂雄一郎を迎えて始まった対談は、美意識や本質の話にまで及んだ。

開発現場を宇宙にまで求めたウエア


村井絢子(以下、村井):「MXP」はもともとはアウトドアフィールド、山小屋での体験がきっかけとなり開発がスタートしました。山ではお風呂に入れないこともしばしば。登山中は汗をかきますが、お風呂に入れずにいると、やはりニオイは気になってきます。そこで、そうした問題を繊維で解消できないかという点に着眼し、各素材メーカーと開発に乗り出したのがもう20年も前のこと。

「そもそも汗のニオイは何からできているの?」という段階からスタートして、オリジナルの消臭素材「マキシフレッシュ®」を誕生させました。汗のニオイの主成分であるアンモニア、イソ吉草酸、酢酸を中和・吸着して消臭します。2004年からは「宇宙オープンラボ」制度に公募して採択され、JAXAとの共同開発がスタート。宇宙飛行士による着用テストを繰り返し、その機能性を実証してきました。

彦坂雄一郎(以下、彦坂):それは、贅沢なテストですね(笑)。私は投資家として世界の宇宙系のベンチャービジネスにかかわっていて、事業家としてはテレイグジスタンス(遠隔存在)の技術を使った宇宙体験を視野に入れていますので、宇宙ステーションをフィールドにしたテストには大変に心を惹かれます。そこでは、どのような成果が得られたのですか?

村井:実際に宇宙ステーションでは半年ほど、お風呂に入れない状況が続きます。ひと月に1回のペースで着替えていただいたのですが、「本当に臭わなかった!」というのが地球に帰還されてからの第一声でした。


エチケットに対する意識の高い日本人のビジネスシーンに「臭わない、を着る」ことを提案し続けたいですね

こうした開発過程を経て、汗のニオイを解消するベースレイヤーブランドとして10年に誕生したのが「MXP」です。スポーツだけではなく、日常生活のすべてのシーンにおいて人間は汗をかいていますが、そのニオイをケアできるウエアをつくり、人々が快適に毎日を過ごせることに寄与したいという思いがありました。現在はベースレイヤーだけでなく、カットソーやソックスなども提案しています。

彦坂:私も着用テストをさせていただきましたが(笑)、最初に驚いたのは着心地です。「肌触りがよくて、伸縮性に優れている」と実感しました。私には決められた出勤時間がなくて、その日の予定次第で空いている時間にジムにも行きます。トレーニングが終わるとシャワー後にも発汗しがちですが、「MXP」に着替えることで、そのまま安心して仕事に向かえました。この快適性を一度体験したらクセになりますね。

村井:「MXP」では、「服としての完成度」を最も重要視しています。肌触りや着心地、デザインにこだわって開発していますので、そこを最初に実感していただけたのがうれしいです。どれほど消臭機能が優れていても、デザインや着心地が悪かったら手に取ってもらえないと私たちは考えています。ほかにも「天地縫い」という表に出る縫い目が少ない縫製手法を取り入れて、ひと針ひと針にまで細心の注意を払ってクオリティを高めています。


彦坂が着用したのは「MXP」のファインドライシリーズの1着。滑らかな肌触り、吸汗速乾性、消臭機能により、快適な1日を約束する。写真左からクルーTシャツ「SHORT SLEEVE CREW」¥4,620、ポケット付きTシャツ「SHORT SLEEVE POCKET CREW」¥4,950、ソックス「FOOT COVER」¥1,650(すべて税込)(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター ☎︎0120-307-560)

引くことで表現される美意識がある


彦坂:私がエグゼクティブクラスのビジネスパーソンと接していて、皆さんが気にしているなと感じるのは「装い」です。もちろん、そこにはニオイも含まれていると思います。香水の香りを漂わせているエグゼクティブには会ったことがありません。皆さん、無臭です。

村井:最近は、男性用の制汗スプレーもよく売れているようですね。香水などでニオイを重ねるのではなく、消すことで他人に不快感を与えないようにするという気遣いが日本人らしいと感じています。

彦坂:そういったマナーやエチケットに対する日本人の意識は高いですよね。街に落ちているゴミが少ないのも、根底にある精神は同じような気がします。足すのではなく、「引くことで表現する美意識」というか文化が日本には脈々と受け継がれていますし、「Less is more.」の考え方が日本人に根づいているのだと思います。そういった精神性との合致も私が「MXP」に快適さを感じた理由のひとつでしょう。


「MXP」の消臭機能は見事でした。それ以上に、着心地のよさとシンプルで飽きのこないデザインがいいですね

村井:「引くことで表現する美意識」で言うと、普段から私は「シンプルにして究極のデザイン」をデザイナーと共に追求しています。「MXP」の各アイテムは、表立った場所のどこにもロゴが入っていません。着飾るのではなく、ありのままの自分に心地よくフィットしてくれたらと願っています。

彦坂:投資・事業家として私が日ごろから考えているのは、「困難に挑戦する日本人がもっと出てきてほしい」ということです。いまの時代、ネットで検索すると答えは簡単に見つかります。でも、問題を探し出すのは難しい。そもそも「MXP」が生まれる発端となったニオイの問題は、何日間も山を縦走するような困難に立ち向かったからこそ、見つけることができたもの。困難に挑戦して得られた事柄こそ本質です。

村井:これからも本質を求める姿勢を失わず、自分も周囲の人も快適でいられる究極のウエアづくりに邁進していきます。


むらい・あやこ◎1982年北海道生まれ。ゴールドウインに入社して12年。プロダクトディレクターとして「MXP」の商品開発に携わっているが、糸の開発から始まり、在庫流動管理やマーケティングプランの立案など、ブランドビジネスの骨組みを取り仕切る。

ひこさか・ゆういちろう◎1983年東京生まれ。東京大学で修士号を取得。ゴールドマンサックス証券勤務を経て、シリコンバレーに本拠を置くAirbus Venturesの日本人初のキャピタリストとしてアジア圏の投資を担当。Telexistenceの取締役も務めている。

MXP
www.goldwin.co.jp/mxp/

Promoted by ゴールドウイン / text by Kiyoto Kuniryo / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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