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渋谷区から始めるコレクティブ・インパクト

クロスセクターのまちづくり「渋谷をつなげる30人」

社会課題へのアプローチ方法として、企業・行政・NPOなど異なるセクターが目的を共有し、互いの強みを生かしあいながら解決を目指す「コレクティブ・インパクト」と呼ばれる動きが活発になっている。

私は、このコレクティブインパクトを自治体単位で創発していくため、2016年に渋谷区で「渋谷をつなげる30人(以下、渋30)」というプロジェクトを始動。企業20名、NPO・市民8名、行政2名によるクロスセクターのまちづくりを展開して4年になる。

こうした動きにおいて、行政が果たす役割とは何か。今回の記事では、この「渋30」に参加した公務員(概ね20代〜30代の若手)と協働して見えてきた考察を共有したい。

縛りの多い公務員


そもそも、「公務員」と聞いてどんなイメージを思い浮かべるだろうか。それは「仲間」と呼べる存在だろうか。おそらく多くの人も同様でないかと思うが、私は役所での手続きぐらいしか接点のない彼らに、「真面目」「安定」「前例主義」など堅く古風なイメージを持っていた。

それは、公務員の性質上、当然のことなのかもしれない。というのも、彼らが日常的に関わるステークホルダーは、自治会、商店会などの住民コミュニティ、契約先の委託事業者、地方議会議員など多岐にわたるが、原則税金で運営されるため、いずれに対しても公平公正な姿勢が求められる。また、企業とは法令や契約に則った関係であることが多く、なかなかフラットな関係を築くことが難しい。

そして、よくも悪くも「常に見られている意識」が強い。発言は役所としての公式見解と捉えられがちなので言葉にも慎重になり、できるだけ個人の意見は控えるざるを得ない場面も多い。また、まるでインフラかのように何をしても当たり前と捉えられ、「ありがとう」と感謝されることが少ないようにも思える。

そんな中で彼らが「上から言われたこと」だけではなく、自身の思いを掲げてコレクティブインパクトの実現に向けて動くには様々な課題がある。

理想と現実と課題


結論を先にまとめると、4年にわたる「渋30」の取り組みを踏まえて、コレクティブインパクトにおける公務員の役割は、以下の3つであると考えている。

1. 他のセクター(ステークホルダー)と行政との翻訳係になること
2. 行政にしかできない支援、公的後援で活動に信頼を付与すること
3. 全庁を横断した連携を促進し、ムーブメントを起こすこと

文=加生健太朗

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