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2020.03.18

非エンジニアの創業者が、1人目のエンジニアの実力を見抜く方法

特に日本ではそうですが、多くのスタートアップでは、CEOが非技術系の共同創業者である傾向にあります。このポストでは「なぜそうなのか」や「この傾向が良いのか悪いのか」については論じません。これから書くことの背景として、そうした傾向があることを、まず共有しておきたいと思います。

技術系でないCEOは資金調達を担当することが多く、そのため、私たちが最初に会う共同創業メンバーも、そうしたCEOのことが多いです。そうした方とやり取りする中で、よく驚くのは、創業者CEOが、技術担当の共同創業者(または1人目のエンジニア)が過去にどのような仕事をしてきたのかについて、実はほとんど知らないことがあるということです。

そういったCEOはエンジニアリング担当のチームメイトの経歴を大まかには説明するでしょう。例えば「彼女はSIerのエンジニアだった」という具合です。でも、そのエンジニアが実際に何を作ったのか具体的に説明するよう求められると、彼らはそれ以上の説明ができず、ぼろがでます。正直に言って、これは私には驚きですし、かなりまずい「黄信号」です。

CEOが技術チームのメンバーの詳細な職務経歴を知らないという事実から分かることが、いくつかあります。まず、その共同創業メンバーたちが、そもそもお互いのことをよく知らないのだということです。詳しく聞いてみると、そのCEOは「エンジニア」を探していたときに「エンジニア」と分類される人を紹介されていた、ということがよくあります。

そのCEOはプロダクトを作ることができるエンジニアを見つけるのに必死で、ちゃんとデュー・デリジェンス(適正評価)することなく、パートナーとしてしまったのです。そのエンジニアがチームを率いてプロダクトのローンチを成功させたことがあるのかどうか、あるいはWordPressでウェブページ開設を手伝っただけなのか、全く分かっていないこともあります。

CEOとしては、必ずしもプロダクトについて技術的な詳細まで深く理解する必要はありません。ただ、最低でも技術要件についての基本的なことは理解しておくべきでしょう。そして、最初の開発サイクルを回そうとしている人について注意深くきちんと調べるべきです。その人はあなたのプロダクトの基礎を作ろうとしているだけでなく、この先あなたが集めることができるエンジニアの質にも大きく影響することでしょう。

技術担当の共同創業者を評価しようというとき、気をつけるべきことが2つあります。1つ目は当然「技術的な能力」です。この面での良好なシグナルはネットで見つけたり、正しい質問をすることで分かります。

GitHubで100個以上のスターが付くようなオープンソースへの貢献をしているか。他のエンジニアが薦めるような出版物やブログ記事があるか。CEO自身は技術的な能力を評価することができないとしても、他のエンジニアからの賞賛が良いシグナルとなります。
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