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2020.03.18

Slackコミュニケーションで心がけたい10のポイント コロナ影響、テレワークで導入進む

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6. 長文メッセージは、少し寝かせてから送信する。


10行を超えるような長文のメッセージは、それだけである種の迫力がある。人によっては上司から長文のメッセージが届くだけで圧倒されてしまう場合もあるかもしれない。そもそも「〇〇が入力中です…」の表示が長時間続く時点で、プレッシャーを感じる人もいるのではないだろうか。

slack スラック リモートワーク
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常に相手の表情をみながら言葉を選ぶことができる対面でのコミュニケーションとは違い、こちらの言いたいことを大量に長文で書いているうちに気持ちが高ぶり、受け手にとっては過剰な表現になっている可能性がある。

相手の反応が見られない文章のコミュニケーションだからこそ、感情の暴走を極力抑えるためにも、手紙同様、長文のメッセージほど少し寝かせてから送信することをおすすめしたい。

7. 感謝、賞賛は全力で。批判、否定は提案に変換。叱責、指導はリアルで。


文字に残り、多くの人の目に触れるコミュニケーション空間だからこそ、職場同様、ポジティブな空気を保つよう全員で心がけたい。

良いニュースはどんどん積極的に共有し、ポジティブな言葉やスタンプで思いきり喜び合いたい。

一方、かなりシビアな場面であっても、また指導や教育的意図があったとしても、相手のリアルな反応が見えないチャットツール上では、批判や否定の言葉は最小限かつ丁寧に、を心がけたい。テキストで軽く注意したつもりでも、相手や、やりとりを目にした第三者が予想以上に過剰に受け止めてしまう可能性がある。

例えば同じ意図であったとしても、「それは違うと思う」と書くのと「こうしたらもっと良くなるかも」と書くのでは、受け止め方が異なる。否定や批判の言葉が脳裏に浮かんだとしても、まずはそのままぶつけるのではなく、「より良いものにするには」「どこをどう修正すれば実現できるか」といった方向にいったん考えを巡らせ、提案や提言に変換させたい。

また、叱責や指導こそ、対面でおこなうべきである。相手が納得・理解しているかどうかという反応をみながら、より効果的な指導がかなうだろう。

8. クッション言葉を適切に使う。


メールと違って「いつもお世話になっております」「お疲れ様です」「よろしくお願い申し上げます」の定型文が不要なのが、チャットツールのいいところ。一方で、言葉足らずで誤解を招くことも少なくない。

形式的なものというより、より正確かつスムーズ、かつ気持ちの良いコミュニケーションのためにチャットツールでも効果的に活用したいのが、クッション言葉だ。

「恐れ入りますが」「もしよろしければ」「念のために」「ご参考まで」「大事をとって」「僭越ながら」「お気持ちはありがたいのですが」「こちらの都合で申し訳ありませんが」「おっしゃる通りですが」「非常に心苦しいのですが」などと一言前置きすることで、次に続く文言がマイルドに受け止められるはずだ。

9. チャンネル退出の際は、一言残す。


例えば今、チャット上で会話が盛り上がっているチャンネルから、突然退出するメンバーが出たとする。退出した本人に他意はなくても、スレッド上には「〇〇が退出しました」の文言だけが残り、「彼(彼女)はどうしたのだろう」「気分を害してしまったのだろうか」と、残されたメンバーが心配や不安を感じてしまうことがある。

とはいえ、不要なチャンネルが増えてきたら本当に必要なやりとりを見逃してしまう可能性もあり、仕事に支障が生じかねない。定期的に自分自身が参加するチャンネルの数を見直す必要はある。

チャンネル退出の際、「担当が変わったので失礼しますね」「プロジェクトではお世話になりました。ありがとうございました」などと残ったメンバーに一声掛けると、不要な心配をかけずに済むのではないだろうか。

また役割を終えたチャンネルは、管理者がアーカイブするか削除するようにすると、不必要なチャンネルを減らすことができる。

10. 結局、5割伝われば十分。チャットツールに頼りすぎない。


Slackなどのチャットツールは結局、リアルでのコミュニケーションを補完してくれるものでしかないと割り切ることも重要だ。遠隔での仕事のやりとりやタスクの進捗管理を効率化してくれるが、対面で五感を駆使したコミュニケーションには勝てない。

チャットツールでは伝えたいことの半分も伝わらない。その前提に立つことで、より丁寧な伝え方を心がけることができるのではないだろうか。また、大きな課題解決に臨む際や、ここぞ、という場面では、やはり直接話すのが一番である。


実際のところ、以上を心がけていたとしても、思うように伝わらないことや誤解が生じることも多い。チャットツールの利点と難点を把握した上で、日々自身のやりとりを省みながら、気持ちの良いコミュニケーションを心がけていきたい。

文=林亜季

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