ビジネス

2020.03.17

人工肉のインポッシブルが5億ドルを調達、韓国企業の主導で

(C) Impossible Foods

植物由来の人工肉や乳製品を製造・開発する「インポッシブルフーズ」が5億ドル(約533億円)を新たに調達したと、3月16日に明らかにした。同社のCFOのDavid Leeはフォーブスの取材に「現時点で当社のビジネスは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を、直接的には受けていない」と述べた。

ただし、同社の人工肉を使用したバーガーは香港やマカオでも既に販売されている。Leeは世界各地の生鮮食料品で発生した、買い占めが事業に与える影響についても回答を控えた。

「当社のビジネスは、多くの投資家の長期的視野からの信頼を得ている」とLeeは述べた。

今回の調達を主導したのは韓国のMirae Asset Global Investmentsで、既存出資元のコースラやホライゾンベンチャーズ、テマセクらも参加した。同社はさらに新規で数名の著名人の出資を受け、女優のミンディ・カリングや映画監督のピーター・ジャクソンも出資を行った。

インポッシブルは既に、テニス選手のセリーナ・ウィリアムズや、ラッパーのジェイ・Zから出資を受けていた。

Leeによると、同社はグローバル進出を加速させる計画で、新たな資金は今後のマーケティングや市場開拓に注がれるという。8年前に創業のインポッシブルの累計調達額はこれで13億ドルを突破した。

インポッシブルは今回の調達における評価額を明らかにしていないが、ロイターは昨年11月に、同社が3億ドルから4億ドルの新規調達を視野に入れていると伝えていた。また、当時のインポッシブルの評価額は20億ドルだったが、新規の調達に際し同社はその2倍にあたる40億ドルの評価を見込んでいるとしていた。

推定40億ドルという評価額は、同社の競合の上場企業であるビヨンドミートの時価総額を、やや下回ることになる。ビヨンドミートは、ここ最近の変動の激しい市場においても45億ドルの時価総額を維持している。

編集=上田裕資

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