シュトゥルツェネッガーは3年にわたって、食品科学者や栄養士、エンジニアと共同で、独自手法を開発してきた。特許出願中のその手法を彼女は「pressure protection(高圧保護)」と名づけた。
「要するに、果物や野菜、穀物、食物由来のたんぱく質に圧力をかけて、水分を抜くやり方だ」とシュトゥルツェネッガーは説明する。水分がなくなって乾燥した食物はその後、砕いてパウダー状にされる。「そうすることで、新鮮な状態の食感がすべて保たれる。オーツ麦やベリー類には、豆やニンジンとはまったく違った食感がある」
従業員が3人しかいないため、調達資金は新規従業員の採用に使われる。さらに、販売店やオンラインショップでの流通拡大にも注ぎ込まれる。
「母親にとって究極のベビーフードとは、手作りしたものだ」とシュトゥルツェネッガーは言う。「けれども実際には、多くの母親が仕事を持っているし、ベビーフードを手作りするにはとても時間がかかる。料理をあまりしない人なら、なおさらだ。そうしたギャップに私たちは目をつけた」
以前からシェフに憧れていたシュトゥルツェネッガーは、スイスで生まれ、アメリカで育った。家庭ではフランス語を話し、専業主婦だった母親が作った出来立ての食事を食べていた。シュトゥルツェネッガーが好んで人に話すエピソードがある。学生時代の友人は、シュトゥルツェネッガーの家で夕食を食べるまで、新鮮なグリーンピースを口にしたことがなかったというのだ。
「友だちが大騒ぎする理由がなかなかわからなかった」とシュトゥルツェネッガーは話す。「友だちが夢中になって食べたのは、料理に新鮮なグリーンピースが使われていたから。1980年代は、缶詰のグリーンピースを料理するのが普通だった」
健康的な食生活は、乳児期から始めなくてはならない、とシュトゥルツェネッガーは言う。研究によると、3歳までに食べ物の好みが決まることが明らかになっている。
「おいしくて栄養のある食べ物の違いは、匂いと味と食感でわかる」とシュトゥルツェネッガーは語る。
それは、ベビーフードに関しても同じであるべきだ。シュトゥルツェネッガーは個人的に、アマラの「Oats ‘N Berries(オーツ麦とベリー)」が大好きで、「外出先でほぼ毎日食べている」とのことだ。