30歳になる彼女は、共同創業者ヴィッキー・ジョンソン(Vicki Johnson)とともに作り上げてきた新興ブランドのアマラが、消費者に特別な商品を提供しているのは間違いないと胸を張る。
子どもを持つミレニアル世代向けにベビーフードを販売しようと市場に新規参入した多くの企業と同様に、アマラも、新鮮な材料を使用した植物由来のベビーフードを製造している。保存料や遺伝子組み換え作物、添加物は一切含まれていない。しかし、競合他社と違うのは、同社のベビーフードがパウダー状になっている点だ。常温保存も可能で、冷蔵・冷凍する必要がない。そのため、保存も持ち運びも容易だ(水や母乳、乳幼児用ミルクなどの液体と混ぜるだけでいい)。
おまけに、1食あたり3ドル未満と価格も手ごろで、ほかのベビーフードブランドと比べて手が出しやすい。同社はいまのところ、6か月から2歳までを対象にしたベビーフードを生産・販売しているが、2020年末までには、4歳くらいまでの幼児向け商品も売り出したいと考えている。
シュトゥルツェネッガーは、「私にとって重要なのは、アマラがニッチなブランドではないことだ」と語った。「誰もが、質の高いベビーフードを手に入れる権利がある」
アマラは2017年、カリフォルニア州北部地区にある大手スーパー「ホールフーズ・マーケット」で、ベビーフードの販売を開始した。シュトゥルツェネッガーはその後、2019年1年間だけで、流通先を100店から1000店に拡大。量販店の「ターゲット」でも購入できるようにした。しかし、アマラはそれだけの需要に対応できなかった。「規模を拡大できないことに気がついた。ベビーフード業界は注目を浴びており、注文があまりにも多すぎて生産が追いつかなかった」
その状況はまもなく改善されるかもしれない。従業員わずか3人の同社はまもなく、200万ドルを超える資金を調達したと発表する予定だ。資金調達ラウンドでは募集枠を若干オーバーしてしまったため、一部の投資家には参加を諦めてもらわざるを得なかったという。
シードラウンドに参加した投資家には、消費財複合企業ハーシーズ(Hershey’s)の元会長や、オンライン・ドラッグストアの「ファーマパックス(Pharmapacks)」、有名トレーダーのダニー・モーゼズ(Danny Moses)が創業したコネチカットの投資ファンド「モーゼズ・ベンチャーズ(Moses Ventures)」なども含まれている。