起業家たちの「頭の中」

トレジャーデータ 芳川裕誠氏

多種大量なデータを即時に収集・分析するクラウドベースのデータ管理基盤を構築し、300社以上のデータマネジメントをサポートしてきたトレジャーデータ。同社を2011年にシリコンバレーで創業した元CEO 芳川裕誠氏に、アメリカと日本のスタートアップの違い、SaaS型ビジネスの成功法などについて聞いた。※本記事は2019年4月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。

共同創業者2人との出会い


──芳川さんは起業するタイミングをどのように見極められましたか?

心の底から気持ちが盛り上がってくるタイミングって誰しもあると思うんです。その気持ちに素直になることではないでしょうか。

例えば私の場合、三井物産が運営するベンチャーファンドの投資担当としてアメリカに渡ったのが2009年のことでした。ご存知の通り、当時は世界金融危機で市況は最悪。投資家とはいえ、新規投資先を開拓できるような状況ではありませんでした。

でもそんな環境だったからこそ、自分自身の人生を省みて、色々と考えることができたのです。人生には色々な波がありますが、そういう波を大切にすれば、「勝負をかけるタイミング」は自然と見えてくると思います。

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──共同創業者の太田さん、古橋さんと起業されています。どういったきっかけで出会われたのでしょうか?

私が前職のベンチャーファンドに勤めていた頃、ビックデータのオープンソース管理基盤ソフトを開発する著名スタートアップから投資枠を獲得するべく、営業をしていました。そして、その会社に日本展開支援という名目で日本のカンファレンスに登壇してもらったことがあったのです。

そのカンファレンスでたまたまリーダーをやっていたのが太田でした。太田は私と全然違うバックグラウンドで年齢も私より7歳若いのですが、不思議と馬が合いました。優秀なエンジニアである上に、商売をすることに対する思いもしっかり持っていて、「いいな」と直感的に思ったんです。

2010年の夏に太田が私のシリコンバレーの家に泊まりに来た時に「一緒にやろう」と誘ったら即答で「いいですよ」と言ってくれたのが全ての始まりです。本人は覚えていないといっていますが笑。

そして、太田と一緒にビジネスプランを練り始めて少し経った頃に、「すごいやつがいる」と太田が連れて来てくれたのが古橋です。実際、彼が加入したことがトレジャーデータに大きなインパクトを与えました。

今振り返っても、共同創業者の二人との出会いは幸運だったなと思います。

──共同創業者に関しても「Better than you」の精神だったのですね。

特に創業メンバーは相性が大事です。

我々の例を言うと、まだ社名も決めていない創業1日目に決めたのが「営業ドリブンの会社にする」ということでした。エンタープライズ向けのソフトウェアビジネスで成功している会社で、営業が強くない会社は1社もないからです。

私は太田のことを「スーパーセールスエンジニア」だと思っているほど、創業初期からビジネスに対する考えを共有することができていました。

優秀かつ、マインドを共有できる創業メンバーと一緒に起業できたことは、トレジャーデータの大きな成功要因だったと感じています。

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文=山崎満久 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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