職場で「正しい対立」を奨励する方法

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対立は普通のことであると理解させる


より苦痛のない対立という考え方を導入する際には、比喩が役立つかもしれない。デイビーが使うとても分かりやすいイメージの一つとして、テントの上に雨よけの布を張る作業の例えがある。これには全員が協力する必要があるが、皆が同じ方向に引っ張ったらテントを覆うことはできないため、全員が異なる方向に引っ張らなければならない。

一方、1人が他者のニーズや強さを気にかけることなく自分の方向に強く引っ張り過ぎると、バランスが崩れて誰かが泥の上に倒れたり、風雨にさらされたりするかもしれない。このように、ある解決策は営業にとってはぴったりだが、サプライチェーンではうまくいかないことがある。

最も大きな効果が得られるのは、チームの会話や意思決定のプロセスを体系化し、緊張を抑えるのではなく最適化することだ。

反論を公式に義務付ける


しかし、異なる視点を提供することを許可し奨励するだけでは十分ではない。チームの考え方を対立回避から対立生産型へと変えるには、メンバーが反論し合い、自分にしかない価値を示し、利害関係者を代表して新しいアイデアを提示することを義務付けるべきだ。デイビーは、上手な形で反論する人を「チームプレーができない人と見なすのではなく、重要なチームプレーヤーとして」見なすよう求めている。

アマゾン・ドット・コムが掲げる「Disagree and Commit(異議を唱え、コミットする)」の原則と似たように、ただ単に反対意見があることを認めるだけでは対立の価値がなくなるとデイビーは述べている。

「失敗するのをただ待ち、『ほら言わんことか』と言う準備をするようではいけない。何らかの決定が下されたら、それについて自分がどう感じていたとしても『これが良い決定であると仮に感じていたならば、どうやって取り組むだろう? 何をするだろう? 成功に向けてどう取り組むだろう?』と考えることが、全員の義務だ」(デイビー)

対立を生むことは、リーダーにとってもチームメンバーにとっても恐ろしいことかもしれない。だが、構造化された対立を受け入れられそうな人を採用し、対立を個人的な問題ではなく企業文化の一部にするプロセスや言語を作ることで、会社はこうした懸念に対処できる。

企業が対立と対立後への参加をきちんと評価すれば、人々は自分が対立だと考えているものが、仕事をする上での普通のやり方なのだと理解できるだろう。

編集=遠藤宗生

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