オランダでは大麻カフェや売春宿も営業禁止、感染者は1000人突破

自転車王国として知られるオランダ(Elisabeth Aardema / Shutterstock.com)

オランダのメディカルケア担当大臣のブルーノ・ブルーインズは3月15日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、全ての学校やカフェを閉鎖すると宣言した。

アムステルダムの大麻カフェや、セックスクラブも閉鎖対象となり、少なくとも4月6日までの期間は営業が許されない。ただし、自転車王国として知られるオランダは、自転車ショップの営業は例外的に許可すると宣言した。

一方で、スペインやイタリアにおいては、不要不急の外出に自転車を用いることは禁止されている。

オランダのブルーインズ大臣は今回の措置により、感染者が多いベルギーからの旅行客の流入を阻止すると述べた。オランダでは現時点で20人が感染症で亡くなり、3月14日には8人が死亡した。

ジョンズ・ホプキンス大学が公開中のデータでは、オランダにおける新型コロナウイルスの感染者は1100人を突破している。さらに、現地の保健当局は「実際の感染者はもっと多い」と述べている。

オランダのマルク・ルッテ首相は3月16日夜に、国民向けの緊急演説を予定している。オランダの首相がこのような演説を行うのは、1973年にサウジアラビアがオランダへの石油供給の停止を宣言した時以来だ。当時、オランダはイスラエルを支持するスタンスをとり、サウジアラビアはこれに反発していた。

オランダ政府が、自転車の利用を制限しなかったことは注目に値する。一方で、イタリアはスポーツや娯楽目的で自転車を用いることを既に禁止した。「サイクリング中に怪我を負った人が病院に運び込まれた場合、医療機関への負担が増し、医療崩壊につながる」というのが政府の見解という。

スペイン政府も同様な措置に乗り出したが、このルールの運用には混乱も生じている。当初は自転車通勤は許可されるはずだったが、マドリードでは一部の警官が通勤者の自転車をを含む全ての自転車に停止を命じているという。

オランダでは今も、レクリエーション目的のサイクリングは禁止となっていない。しかし、イタリアやスペインでは、医療機関などに急行する場合のみ、自転車の利用が許される方向で、オペレーションが進みつつある。

編集=上田裕資

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