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2020.03.17

世界の富豪はコロナ危機をどう生き抜く? ビリオネアたちの声

ビル・ゲイツ(K Asif/India Today Group/Getty Images)

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、世界のビリオネアたちの行動に注目が集まっている。世界で2番目の富豪のビル・ゲイツは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じ、1億ドル(約109億円)の資金を感染拡大の防止措置に寄付すると宣言した。

アリババ創業者のジャック・マーは1400万ドルをワクチン開発の支援に注ぐと宣言し、米国に50万台の検査キットと100万枚のマスクを寄贈すると述べた。3月14日にエアビーアンドビーCEOのブライアン・チェスキーは、全ての予約のキャンセルを受け付け、返金を行うと述べた。

フォーブスは世界のビリオネアたちに、感染拡大に対する見方や、彼らがどのような対処を考えているかを聞いた。下記にその一例をあげてみよう。

フランスの複合企業ボロレグループCEOのバンサン・ボロレは、新型コロナウイルスが同社のビジネスに与える影響を、次のように述べた。「当社のグループの設立は1822年にさかのぼる。いくつかの革命や戦争を生き抜いてきたボロレグループは、今回の感染拡大にも十分対応可能だ」

給与計算ソフトのペイロールを送り出した、米国のPaylocity創業者で会長のスティーブ・サロウィッツは、感染拡大を受けて家族と過ごす時間を増やしたと述べた。

「新型コロナウイルスは悲劇的な事態を招いた一方で、人々が互いに助け合うことの大切さを教えてくれた。家族や子供たちと過ごす時間を増やせたことに感謝している。私個人としては、感染症は地震などと同じ、自然災害の1つだと考えており、物質主義の精神的牢獄から人々を解放するために、神様が与えてくれた試練だと考えている」

ビデオ会議システム企業Zoom創業者のエリック・ユアンは、同社のサービスを中国やイタリア、さらには米国の教育現場に無償提供すると宣言した。「私は従業員に対し、このような悲劇的事態をマーケティングに用いてはならないと伝えた」

投資には絶好の機会との見方も


決済企業スクエアの共同創業者で取締役のジム・マッケルヴィは、家族でイタリア旅行に向かう予定だったが、キャンセルし自宅で過ごしているという。

「現在はセントルイスの自宅に居て、米国に住む高齢の親戚を家に招いている。セントルイスは、米国で最も先進的な医療ケアシステムを備えた都市の1つだ。米国は高齢者や貧困層向けのヘルスケアが整備されておらず、それが今後の課題になるかもしれない」

医薬品卸会社Kinrayを、多国籍医療サービス会社カーディナルヘルスに売却したばかりのStewart Rahrは次のように述べた。

「感染拡大は今後の8カ月程度でピークを迎え、収束に向かうと考えている。投資を行う上では絶好のタイミングがやってきそうだ。事態の推移を慎重に見据えつつ、エントリーポイントを探っていく。手元には十分なキャッシュがあり、成長ポテンシャルの高い株を割安に入手できるかもしれない」

編集=上田裕資

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