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フォーブスジャパン編集部

舩後靖彦参議院議員

「意思疎通できない障害者は不幸を生み出すだけ、生きていても仕方がない」。そんな極端な考え方を正当化し、19人もの命を奪った被告は、公判を通してもその考えを最後まで変えることはなかった。

神奈川県相模市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件の裁判員裁判の判決が3月16日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であり、植松聖被告に死刑が言い渡された。2016年7月に発生し、3年半以上たったが、この事件が起こった背景にじっと目を向けてきた人がいる。

舩後靖彦参議院議員だ。自身は、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者であり、全身麻痺があるため車椅子に乗って活動を続ける。2019年7月にれいわ新撰組比例区特定枠で当選を果たした。

今回、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、Forbes JAPANの連載「#分断に思う」のインタビューに対面ではなく書面で答えてもらうことになった。舩後議員は自身が施設に入居していた際に、差別を受けた体験を告白した。

障害者と健常者──。この区別が意識上ではどのように「分断」を引き起こし、差別的な発言、行動へとつながっていくのだろうか。前編では、舩後議員は当事者意識を持って差別を受けた経験について声を上げ、この事件の背景について考察する。



「やまゆり園もそうだったのか」。舩後はこの障害者施設殺傷事件に関わる新聞記事を読んだ時、深いため息をついた。記事には「被告が障害者を殺害する計画を周囲に話した際、『半分くらいが笑ったので同意が得られたと思った』と述べた」と書かれていた。

「この『周囲』を『やまゆり園の職員』と捉えるのは早計かもしれませんが」と前置きした上で、舩後は自身の経験から、施設運営のあり方や施設という構造自体が植松被告の「差別的な考え方」を醸成する土壌になったのではないかと感じたという。

16日の判決では、青沼裁判長は植松被告の障害者に対する差別的な主張について、やまゆり園で働いた経験から考えるようになったと指摘した。また、量刑の理由については、「遺族の峻烈な処罰感情は理解できる。犯行の悪質性と、19人の命を奪い、結果は甚だしく重大だ」と述べた。

文=督あかり 

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