ファーウェイがSIMフリーで発売する5Gスマホ 機能は充実、勝算は?

ファーウェイの5G対応フラグシップスマートフォン「Huawei Mate 30 Pro 5G」が国内発売を迎える。最大27WのQi規格のワイヤレス充電に対応する。

ファーウェイが5G対応のフラグシップスマートフォン「Huawei Mate 30 Pro 5G」を、日本国内でSIMロックフリー端末として発売する。オープン価格の端末だが想定売価は12万8800円前後が見込まれる。

本機は2019年秋にファーウェイがグローバルモデルを発表した5G対応のハイスペックスマートフォン。約半年を経て日本に上陸する。今回の発表と同時に取り扱いに名乗りを挙げる国内大手通信キャリアはまだない。3月16日からファーウェイのオフィシャルサイトで先行販売が開始され、続く4月中旬からはヨドバシカメラとビックカメラに同社が展開するファーウェイ・ショップと、オンラインでは楽天市場とPayPayモールに開設されているファーウェイのECサイトで常時取り扱われる。

グローバルモデルには6色のカラーバリエーションを揃えるが、日本にはオレンジの1色のみ展開する。リアパネルの素材には合成皮革。本体はIP68相当の防水・防塵設計としている。

ファーウェイのハイスペックモデルらしいこだわりと最先端技術は本機の随所に盛り込まれた。特に注目したいのは「5G通信」「ディスプレイ」「カメラ」の3点だ。

独自の5Gモデム一体型SoCを核とした汎用性の高い設計




自社設計のモバイル向けハイエンドSoC「Kirin 990 5G」には7nmプロセスルールを採用。5G対応のモデムを一体化してフットプリントと電力消費の効率を高めた。5G通信に必要なパフォーマンスを引き出せるようにメインメモリのサイズは8GBとし、さらに4K動画など大容量のコンテンツデータが256GBの内蔵ストレージに保存できる。

5G通信は6GHz以下の周波数帯であるSub-6をサポートする。より高い周波数帯を利用するミリ波の5G通信には非対応としている。モデムは5Gのほか4G以下の通信も可能なマルチモード対応だ。Wi-FiやBluetooth、GPS、NFCの通信に使用するものを含めて合計21本のアンテナを本体に内蔵。うち5G通信用には14本のアンテナを使う。

日本と中国のほか、欧米諸国の5Gネットワークに幅広い接続性を確保しているので、本機を携えて海外に出かける場合も現地の5Gネットワークが利用できそうだ。



SIMカードスロットは2基あるがどちらも5G対応だ。ただし片側に5G通信用のSIMを装着している場合、もう片側の通信上限は4Gまでになる。そして片側のスロットはファーウェイ独自の記憶媒体であるNMカードのトレイも兼ねている。

5G通信時に想定される本体内部の発熱は最適配置された冷却システムにより効率よく抑え込む。さらに長時間駆動を確保するため、大容量4500mAhのバッテリーも積んだ。内蔵バッテリーは有線による40W急速充電のほか、最大27Wのワイヤレス充電と、さらにはQi対応のワイヤレスイヤホンなど外部機器へのスマホによるワイヤレス給電にも対応する。
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文=山本敦

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