私たちの免疫系の強さは、生活習慣や食事と関連している(栄養不足が免疫系を弱め、感染しやすくする)。免疫系がビルディングブロックとして機能する免疫細胞を生成し、ビタミンやミネラルを有効に機能させる酵素を作るためには、十分なエネルギーが必要だ。
つまり、私たちは体が必要とする主要栄養(ビタミンC、D、B6、B12、葉酸塩、亜鉛、銅、鉄、セレンなどの主要栄養、必須アミノ酸、必須脂肪酸などのビタミンとミネラル)をすべて、きちんと摂取する必要があるということだ。
これらの栄養素のなかに不足しているものがある人は、一般的に感染症にかかりやすく、重症化しやすい。また、回復に時間がかかることも分っている。一方、栄養素の不足を補うためのサプリメントを摂取すれば、免疫系の機能に改善がみられ、抵抗力が増し、感染した後の回復にも効果があるとされている。
これらの栄養素は、フルーツや野菜に豊富に含まれている。だが、摂取する食品は多様であるべきだ。食生活をウイルスと戦うためのツールとするには、できるだけ数多くの種類の栄養素とミネラルを取るようにすることだ。
ヴィーガンのような食事で十分に栄養素を取れると考えている人も、動物性の食品を含まないそのような食生活では、鉄分やB12を摂取するのが難しくなるということを忘れてはならない。専門家の多くはこうした人たちに対し、オメガ3脂肪酸のサプリメントを取ることを勧めている。
ただし、サプリメントから取ることが避けられない理由がある場合を除き、私たちはやはり、食品からできるだけ多くの栄養素を摂取するべきだろう。
特にフルーツがお勧め
風邪がはやる季節になると、「食事に気を付けよう」と思う人が増えるのはもっともなことだ。だが、食事からより優れた効果を得るためには、その季節だけでなく、いつでも気を付けておく必要がある。
免疫を強化するのに最も優れた食品だとされる食品のひとつが、ポリフェノール、特にフラボノイドを豊富に含むフルーツだ。運動前に食べることで、運動後に起きる体内の炎症や酸化ストレス、免疫機能障害が軽減されることが、過去の研究から明らかになっている。
ポリフェノールはナッツ類や野菜、お茶、コーヒーにも含まれている。だが、それらの効果を継続的に得るためには、スムージーやジュースをインフルエンザの季節が始まる前に応急処置的に飲むのではなく、長期にわたって日常的に取るようにしておく方が効果的だ。
免疫系を強化するのは、腸の健康であるともいえる。そのためのカギを握るのは、健康的な食事と、腸内細菌が必要とする食物繊維を十分に取ることだ。
もちろん、食事に注意し、腸の健康を保つことだけで、コロナウイルスやその他のウイルスへの感染を防ぐことはできない。同時に、常に手洗いを心掛けることや、症状が出たときには屋内にとどまることなどが重要だ。