「革新は仕事中ではなく、休暇中に生まれる」 マーク・ベニオフの名言5選

セールスフォースのCEO マーク・ベニオフ氏

世界のクラウド型顧客関係管理(CRM)マーケットで、トップを独走する「セールスフォース」。

同社を率いるのが、CEOのマーク・ベニオフだ。彼の言葉には、経営や人材マネジメントをするうえで心に留めておきたいものが多くある。今回は、リーダーが心得ておきたいベニオフの名言を5つ紹介する。

セールスフォースCEO、マーク・ベニオフ


ベニオフは、1964年、サンフランシスコ生まれ。クラウド型顧客関係管理(CRM)大手「セールスフォース・ドットコム」の共同創設者であり、現在は会長およびCEOを務める。

サンフランシスコで百貨店を経営していた父親の背中を見て育ったベニオフは、15歳でビデオゲーム制作会社「リバティ・ソフトウェア」を設立し、ホームコンピューター向けのゲームを開発。16歳のときにはロイヤリティ報酬だけで月間1,500ドルを稼ぎ、大学の学費を稼いだ。

南カリフォルニア大学では経営学を専攻し、在学中にはアップルのマッキントッシュ部門のインターンシップを経て、プログラマーとしてのスキルを高めていった。

86年に大学を卒業後は、企業アプリケーションの大手「オラクル」に入社。26歳のときに、社歴上最年少でヴァイスプレジデントに就任した。

その後独立し、99年に現CTOのパーカー・ハリスとともにセールスフォースを設立。創業当時から「世界規模の会社を作りたかった」というベニオフの言葉通り、同社はアメリカ、欧州、アジアへと市場を広げ、2000年4月には日本法人も設立した。

その成長は著しく、2011~18年に行われたフォーブスの「世界で最も革新的な企業」ランキングに毎年トップ10入りをした。

ベニオフは「株式の1%、製品の1%、就業時間の1%を世界中の地域社会に還元する」をモットーに、「ホームレス問題」研究に寄付をしたり、資産の半分以上を寄付する啓蒙活動「ギビングプレッジ」に宣誓したりと、社会貢献にも力を注いでいる。

1. 負けた数よりも多く勝てば、成功者になれる


本当の意味で成功する会社は、失敗することを恐れない。ベニオフは「私も全ての場面で勝つことはできない。毎日のように失敗しているが、その数を上回るほど勝てばいいのだ」と述べている。

失敗は財産であり、その経験から学ぶことが重要。リスクをとれば失敗も増えるが、リスクをとらなければ成功はつかめないというメッセージが込められている。

2. 革新は、日々の仕事の中からでなく、休暇をとってリラックスしているときに生まれる


「仕事の成功は自分をリフレッシュさせることから」とベニオフは語る。セールスフォースの起業アイデアは、オラクルに在籍していた当時、休暇中のハワイの海で泳いでいたときにひらめいたという。


3. 顧客からの信頼のない企業は、次世代のビジネスで成功することはない


ベニオフは「市場環境がめまぐるしく変化する時代に、顧客に最も近い企業が大きな成功を収めるのは明らか。ネットの技術を活用し、従来とは全く異なる形で顧客とつながることができるかどうかが、企業の命運を分けるようになる」とも話している。

ビジネスを継続的に成功させるために、顧客を第一に考える彼の姿勢が伝わってくる言葉だ。

4. リーダーは個人を奮い立たせることが重要だ


達成した成果は、リーダーがすべてやり遂げたと思ってはいけない。

「実現するのは従業員。まさに人がパワーの源泉なのだから」という言葉から、ベニオフの人材を大切にする姿勢がうかがえる。

5. リーダーは優先順位を決めることが重要


ベニオフは事細かに部下に優先順位について尋ねるという。「価値観の優先順位がわかれば、もっと簡単に判断することができるようになり、行動に移すことができる。多くのリーダーが陥りがちな誤りは、価値観を決めずに拙速な判断を下している点だ」と、ベニオフは世界のリーダーへ訴えている。

人ができる範囲は決まっているからこそリ、リーダーは明確な優先順位を設け、仲間に進むべき道を示すことが不可欠だ。

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文=池原裕美 写真=gettyimages

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