介助者の監督が、障害者の自立生活描く『インディペンデントリビング』で映し出したもの

障害者の自立生活センターを舞台にした映画『インディペンデントリビング』(C)ぶんぶんフィルムズ 



試写会に駆けつけた自立生活夢宙センター平下代表

映画の登場人物である自立生活夢宙センターの平下代表も、大阪から駆けつけて、熱っぽくこう語った。

「センターは人生観がつまった居場所になんです。映画を見ることで感じてもらって、我々の入り口に立ってもらえれば嬉しいです。僕が自立生活センターを立ち上げる時に先輩に言われたんです。人生一回。人生どん底の人たちを変える方がおもろいぞってね。その言葉を胸に自信をもって活動しています」


2月の試写会では多くの人が「インディペンデントリビング」を楽しんだ

日本では、障害の有無や、その違いが注目されることもしばしばあるように感じられる。しかし、障害者と健常者の違いではなく、この社会で誰もが共通して感じることがある「生きづらさ」にこそ目を向けるべきなのだとこの映画は教えてくれた。

障害の有無という違いに意識が先行するのではなく、共に社会を変えていくアクターとして動くための最初の一歩として、平下代表の「我々の入り口に立ってほしい」という言葉は、知っているようで知らない障害当事者への理解をあいまいにせず、少しでも多くの接点をもって深めてほしいということを意味していたのだと感じた。




新型コロナウイルスの感染拡大を受け、障害当事者の中には呼吸機能や免疫機能などの内部障害を持っている人も多く、感染した場合に重症化のリスクが高いことから、急きょ3月14日から4月3日までインターネット配信されることも決まった。料金は1800円。配信先はこちらから

文=猪俣由香

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