英「グラストンベリー」フェス、6月のイベント決行を宣言

昨年のグラストンベリー・フェスティバル(Photo by Leon Neal/Getty Images)

世界最大の野外音楽フェスティバルである英国の「グラストンベリー・フェスティバル」は、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念の広まりの中で、今年も予定どおりイベントを開催すると宣言した。6月24日の開催初日が迫るなか、運営元は今年のラインアップを発表し、今後の事態の推移を注視しつつ準備を進めていくと述べた。

2020年のグラストンベリーのヘッドライナーには、既にテイラー・スウィフトやポール・マッカトニーらが決定済みだったが、3月12日のアナウンスで新たにケンドリック・ラマーの出演が発表された。

さらに、ラナ・デル・レイやデュア・リパ、ペット・ショップ・ボーイズ、メイベルらを含む、約100アーティストが新たにラインアップに加わった。既にアナウンス済みの注目アクトとしては、日曜日のレジェンド・スロットに登場するダイアナ・ロスがあげられる。また、先日は病気を理由に欧州ツアーをキャンセルした、NYが生んだ孤高の女性シンガーラナ・デル・レイの復活にも期待したい。

グラストンベリーの主催者は6月の開催までには、事態が収束することを願っている。先日は4月に開催予定だった米国の音楽フェス、コーチェラが10月に延期することを発表した。同じく4月にNYで開催予定だったトライベッカ映画祭も延期を決定した。

新型コロナウイルスの影響で、ブロードウェイの公演も中止され、BTSやマドンナ、グリーンデイ、マライア・キャリーなどの大物アーティストらが相次いでライブの中止や延期を決定した。

さらに、音楽業界のイベント、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)も中止になり、ワーナーミュージックも予定されていた10億ドル規模のIPOを延期した。一部の業界のアナリストは世界の音楽業界が被る被害額は50億ドル(約5200億円)に達すると予測しており、映画業界にも同程度の影響が予想されている。

そのような状況下で、グラストンベリーの創始者Michael Eavisの娘で、共同オーガナイザーを務めるEmily Eavisは、50周年を迎える今年のイベントを予定どおり決行すると宣言した。

「今から15週間後のことを正確に見通すことは誰にも不可能だ。私たちはただ、全てがうまくいくことを祈るしかない。ウォーズィファームで、みんなと会えることを楽しみにしている。地球最高のフェスティバルにしよう!」と、Eavisは述べた。

しかし、英国の保健当局は3月12日、感染拡大の阻止に向け新たな措置を講じるとアナウスした。政府の科学アドバイザーは、アウトブレイクがピークを迎えるのは今から14週間後、もしくはさらに先になると述べた。英国は現時点では、大規模イベントの禁止や、学校の閉鎖などの措置には踏み出していない。

編集=上田裕資

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