北米の詐欺被害額、「暗号通貨関連の詐欺」がトップに

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詐欺被害に関する2019年の調査によると、被害総額のメジアン(中央値)で見た場合、「暗号通貨関連の詐欺」が、「ロマンス詐欺」(ネットで知り合った人と親しく連絡を取り合ううちに送金を迫られる詐欺)に並んでトップに立ったことがわかった。

この結果は、北米において不正営業活動を規制する業界自主団体「商事改善協会(BBB)」のウェブサイト「詐欺トラッカー(Scam Tracker)」への被害者による報告をまとめたもの。BBBマーケットプレイス・トラスト協会(BBB Institute for Marketplace Trust)の新たなリポートで判明した。

被害額のメジアンは、「暗号通貨関連の詐欺」と「ロマンス詐欺」両カテゴリーとも3000ドル(約31万円)に及んでいる。だが、どちらのカテゴリーも、実際の報告件数は少ない。暗号通貨は273件、ロマンス詐欺は237件だった。

2019年に詐欺トラッカーに寄せられた被害報告は、全部で3万7283件。そのうち4分の1近くにあたる9050件が、オンラインショッピングに関するものだった。

暗号通貨関連の詐欺に遭ったという報告のうち32%は、物品あるいはサービス、現金の決済手段として暗号通貨を購入したが、詐欺行為によって損をしたという内容だった。また、これより10ポイントほど少ない23.4%は、投資の手段としてデジタル資産を購入した際のトラブルを訴えるものだった。

商事改善協会の詐欺対策本部によると、暗号通貨に関するこうした詐欺の中でも、およそ3割の案件に関しては、同協会にも解決の手立てがなかったという。これらの詐欺は、C2CXという中国企業に絡むもので、同協会の管轄区域である北米以外の地域で発生したものであるため、対処できないとのことだ。

被害者数が多い詐欺のタイプは、年齢によって異なる。

65歳以上の年齢層では、旅行や、リゾートのタイムシェアオーナー制度に関する詐欺が1位を占めた。その下の年齢にあたる、退職を控えた55歳~64歳の層ではロマンス詐欺がトップ。54歳以下の成人では、雇用に関する詐欺が最も多かった。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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