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米国では2017年から2年連続で留学生の大学院出願・入学が減少していたが、2019年は志願者と入学者がいずれも増加した。これは、米大学院協議会(CGS)が米大学院を対象に行った最近のアンケート調査で明らかになった主な結果だ。

CGSは2004年から毎年、留学生の大学院出願・入学に関する調査を実施している。2019年の調査は大学院がある775の米大学に送付され、52%に当たる403校が回答した。

主な結果として、2019年は留学生の大学院出願数が前年から3%増加、大学院への初進学者は4%増加したことが分かった。増加は博士課程よりも修士課程や資格取得コースで顕著だった。

留学生の出身国


大学院に初めて進学した留学生のうち、留学生の出身国トップ2である中国とインドからの学生はそれぞれ3%と1%増加していた。その他の国では、メキシコは10%、サウジアラビアは1%増えた。また、サハラ以南アフリカ地域からの留学生はなんと22%も増加した。

大きく減少したのはイランからの留学生で、前年比で7%減。ただ、中東・北アフリカ全体の初進学者の数は前年から変わらなかった。

専攻分野


大学院志願者を専攻別に見ると、芸術・人文科学は前年比6%増、健康科学は7%増、数学・コンピューター科学は7%増、生物学・農学は14%増だった。一方で工学と経営学はそれぞれ2%減、3%減だった。

留学生の大学院初進学者が最も増加したのは数学・コンピューター科学の11%で、次いで社会・行動科学が11%、生物学・農学が10%、健康科学が8%だった。

影響


大学院での留学生増加は、過去2年間にわたり減少が続いていたことを考えると良いニュースだ。しかし調査結果によると、米国の修士課程で学ぶ留学生の数は2017年と比較してまだ少ない。

米大学院を対象に最近実施された別のアンケート調査では、多くの大学が、米国側のビザ発行手続きや入国審査の遅れ、さらには入国拒否を経験する留学生がここ2年間で増えていると回答した。

さらに最近は、米国への留学生誘致に支障をきたす可能性のある出来事が続いている。例えば、新型コロナウイルスの流行を受けて導入された、中国滞在歴のある外国人の入国禁止措置は果たしていつまで続くのだろうか。

さらにトランプ政権は、入国禁止令の対象国をアフリカ最大の人口を抱えるナイジェリアやミャンマー、エリトリア、カザフスタン、スーダン、タンザニアにも拡大した。これは最近高まる外国人嫌悪の風潮に拍車をかけるものであり、世界各国の若者の間で米国内での身の安全に対する不安をあおっている。この不安に加え、世界各国の大学間の競争激化に鑑みれば、米大学院の留学生誘致がますます難しくなることは間違いないだろう。

編集=遠藤宗生

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