テクノロジー

2020.03.13 13:00

ダイソン、新製品のスマート照明を発売 アプリと連携し、シーンに応じた最適な明るさと色合いを実現


モバイルアプリ連携により実現するスマート照明のイノベーション


アプリからユーザーがダイソンのスマート照明を設置した現在地を登録すると、衛星を使って60秒ごとに収集した現在地の自然光データがアプリに反映される。トラッキングされたデータはライトの本体に搭載する32bit精度のマイクロプロセッサーに送られて、明るさと色合いを最適化した自然光のステータスがリアルタイムに反映される。この機能のアルゴリズムもダイソンが独自に開発を行っている。

アプリから「学習」「起床」「作業」「リラックス」「留守番」の各モードを切り換えることによって、使用シーンに合わせた最適な色と明るさの照明が得られる。学習モードを選択すると目の疲れを引き起こすグレア(まぶしさによる散光)、フリッカー(明滅によるちらつき)をさらに抑えて光を均一化。集中力を高める照明を作り出す。


アームの内側に明るさセンサー、人感センサーが搭載されている。

起床モードは朝起きる時間をアプリから登録すると、設定時間に合わせて点灯して徐々に明るくなるという目覚めをサポートする機能だ。留守番モードはユーザーが家を空けている時間帯にも不定期に照明を点灯させる、不審な侵入者を防ぐことを目的としている。どちらも日本のユーザーにはやや馴染みが浅く感じられるかもしれない。

もうひとつ「年齢調整」と名付けられた機能もユニークだ。アプリからユーザーの年齢を登録すると、照明の明るさを自動的に補正してくれる。照明工学協会(IES)の研究著書から、65歳を超える高齢者は20歳以下の人に比べて4倍強い光が必要と言われていることから、本機能も登録した年齢が上がるほど輝度が高くなるように設定されている。本機能はオプティカルヘッドのポジションを下向きにしてタスクライトとして使用する場合にのみ有効になる。

このほかにもDyson Linkアプリにはマニュアルで照明の明るさと色合いを好みに合わせて調整、設定値を20件まで名前を付けて登録できる機能がある。


Dyson LinkアプリをペアリングするとDyson Lightcycle Morphの様々な設定が管理できる。

自然光を人工照明により再現するダイソンのテクノロジー


ダイソンがジャーナリスト向けに開催した製品説明会には同社の東京 カントリー クオリティー リードであるジェームズ・シェール氏が登壇した。シェール氏は人間の意識的な視野だけでなく、潜在視野で感じる光がメンタルのコントロールに大切な役割を担っているとしながら、「ダイソンの革新的なテクノロジーにより、新製品のDyson Lightcycle Morphは人間が長く慣れ親しんできた自然光を人工照明により忠実に再現できる。どんな部屋に設置した場合も、ユーザーのあらゆる用途に応えながら最も快適な光を提供できるスマート照明だ」と胸を張った。


説明会に登壇したダイソンの東京 カントリー クオリティー リード ジェームズ・シェール氏。

今回ダイソンが発売したDyson Lightcycle Morphはスマート照明機器としてはプレミアム価格帯の製品だ。デスクライトタイプのモデルは個人宅だけでなくオフィスでも一定の需要が期待できそうだ。もうひとつのフロアライトは間接照明としての用途が中心になりそうだ。リビングルームなど広めの部屋に設置する場合は、天井から明るく照らせるシーリングライトなどほかの照明器具と上手に併用しながら雰囲気のある照明空間を演出したい。

海外ではAlexaを搭載するスマートスピーカーを使って音声で照明を操作できるスキルも提供されているようだ。ダイソンのコネクテッド家電の製品群に新しいスマート照明が加わったことで、空気清浄機やロボット掃除機など、他のカテゴリ製品との連携によるダイソン独自のエコシステムもこれからどこまで進化するのか楽しみだ。

文・写真=山本敦

ForbesBrandVoice

人気記事