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フォーブス ジャパン編集部 エディター


松田がSmart書記の最大の特徴として、紹介してくれたのが「編集」機能だ。Smart書記で音声認識されたテキストはリアルタイムに編集可能。誤字や同音異義語、意図しない言葉など、気になったワードをマークしておき、マーク部分を追いかけて修正していくことで、効率的な編集作業が実現する。そのほか、行毎に編集することができ、その行のみの音声を聞き直しながら修正するこも可能となっている。

「Smart書記は訂正学習機能も特徴のひとつで、文章の修正作業の中で自然な形で学習し成長していってくれます。例えば、訂正した誤り語句が次回以降に出現すると、自動的に正しい語句に置き換えられます。また不適切なワードや、特定の伏せたいワードを、禁則処理で非表示にすることもできるようにしてあります」

文字起こしされたテキストは、用途に応じてExcelやWord、テキストファイル形式でダウンロード可能となっている。

実際、徳島県庁では毎週実施していた定例会見の議事録作成に約10時間ほどかかっていたが、Smart書記を活用することで議事録作成の時間は約2時間に減少。その内容をHP上で公開するまでのスピードも、それまで4日ほどかかっていたが即日で公開できるになったという。

さらなるグロースのために、あえて独立を選択


代表の松田はデジタルガレージでスタートアップへの投資やアクセラレータプログラム「Open Network Lab(オンラボ)」の運営を担当した後、イラスト制作・漫画制作の支援を手がけるフーモアに参画。取締役COOとして、経営に携わっていた人物だ。

「フーモアを退職した後、スタートアップに行くつもりだったのですが、知人の紹介で偶然、メディアドゥの藤田恭嗣さん(代表取締役社長)にお会いしたんです。すでにSmart書記は新規事業として立ち上がっていましたが、事業をよりスケールさせていくために一緒にやらないか、と声をかけてもらいメディアドゥに入社を決めました」

2019年7月から事業部長に就任し、Smart書記の成長を牽引。そして今回、カーブアウトという形で独立するタイミングで、エピックベースの代表取締役社長になっている。

「Smart書記はSaaS型のビジネスですが、メディアドゥのコア事業とは領域が異なっていることもあり、社内にSaaS型のビジネスの知見を持っている人が少なかった。今後スケールさせていくには、外部の資金を入れていった方がいいということで、自分でメンバーも集め、吸収分割という形でスピンオフさせました」

松田の話によれば、現在導入企業の約8割が大企業や自治体関係とのこと。得に会議の議事録作成が必須になっている企業からのニーズは高いという。昨今は新型コロナウィルスの影響でZoomなどによるオンラインでの会議が増えていることから、問い合わせの数が急増しているとのこと。

国内でアドバンストメディアを筆頭に複数社が文字起こしシステムを手がけているほか、Otter.aiはNTTドコモと提携し、2020年後半から日本語のサポートも展開していくと発表している。競合も多い中、なぜSmart書記は引き合いがたくさんあるのか──その理由を松田はつぎのように話す。

「大企業のお客様が求めるセキュリティ水準を超えてくるサービスが弊社を含めて数社しかいない。そこは大きいかなと思います。また、Smart書記は音声データをそのまま投げているわけではなく、一度弊社のサーバーを介して一定の工夫をしています。そこも見えない技術差分となっていると思います」

文=新國翔大

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