「アメリカンドリームは、まだ滅んでいないことを知ってほしい」とウェイナーはフォーブスの取材に話した。「ペプシコは未来に向かって踏み出そうとしているし、彼らはこのブランドの価値を認めてくれた。厳しい状況の中でも光は見いだせるのだ」
ウェイナーはロックスターの株式の85%を保有している。買収後の彼の保有資産をフォーブスは約39億ドルと試算した。
「最高のタイミングで事業を売却できた。一生好きなことをやって暮らせるだけのお金が手に入ったんだ。これまでの20年間は毎日24時間、働き通しだった」
ウェイナー自身は次の事業プランを考えるのはまだ先だと話している。しかし、彼の母のジャネットは野心的な夢を描いている。ジャネットはロックスターのCFOを務め、15%の株式を保有している。彼女は今後、ロックスターの姉妹企業で2017年に設立されたYachak Organicの利益を、動物や自然の保護活動に注いでいくという。
ロックスターは2009年にペプシコと、北米での販売契約を締結しており、同社の飲料は世界30ヶ国で販売されている。今回の買収により、ロックスターのブランド価値はさらに高まるとウェイナーは話した。
彼は5万ドルの自己資金でロックスターを創業した。その後、会社のロゴがプリントされた中古のリムジンで、サンフランシスコの街中を走り回り、新たなエナジードリンクのプロモーションを開始した。
ロックスターを創業する以前の彼は、保守系ラジオ番組の人気司会者として知られる父のマイケル・サヴェジの後を追い、政治家になろうとしていた。ウェイナーは1988年にカリフォルニア州議会選挙に出馬したが落選した。
しかし、彼の選挙キャンペーンに注目したのが、父のサヴェジの友人でもあるスカイウォッカ創業者のモーリス・カンバーだった。ウェイナーはカンバーの誘いを受けてスカイウォッカに勤めることとなった。
その後、しばらくしてウェイナーはスカイウォッカが新たなエナジードリンクを作るべきだと提案したが、創業者のカンバーはロックスターという名前が気に入らなかったという。
ウェイナーはスカイウォッカの仕事を辞めて、自身でロックスターを設立した。