ビジネス

2020.05.17

「新型コロナ軽症者受け入れ」アパホテル社長。選んだ自社ビュッフェは?

アパホテル社長 元谷芙美子氏


子供の頃の「食の原風景」は?


市島:子供の頃に好きだった食べ物はなんですか。

元谷:福井出身で、小さい頃は今ほど高価じゃなかった「セイコガニ」をおやつにたくさん食べて、大好きでした。それから、「もみじこ」っていって、タラコも好きでした。あとは「サバの子」。サバの中に茶色い子どもがいて、焼いていただくと朝ご飯が進みました。夏の暑いときは「ぬかニシン」。「こんかニシン」ともいうんだけど、ニシンをこんかで漬けた塩辛いけど美味しい珍味が好きでした。1匹はとてもいただけないけど、3分の1ぐらいにして、熱々のご飯で。

市島:アパホテルに泊まる方々に、朝食ビュッフェの取り方のアドバイスはありますか。

元谷:ビュッフェですからね、もうお好きなものを、そのときの体調に合わせて、でいいと思います。前の夜接待の宴会がヘビーで、朝はギブアップという感じであれば、生フレッシュジュースとか牛乳とかフルーツとか、お好きなものから取っていただいていいと思います。



そして、ご家族連れのために、子ども用の食器も用意していますから、ビジネスマンの方も、たまには使っていただいて、お子さまランチを作っていただいてもいいんです。私も実は時々使いますよ。

市島:あと、僕もですが、実は男性もアイスクリームやソフトクリームは、けっこう好きなんですよね。だから、元谷社長が「カレーとソフトクリームは合う」とおっしゃったので、これからは堂々と、ビュッフェの最後に締めのソフトクリームを取ります。自分で量の調整もできるのがいいですね。

元谷:はい。あとは、残さないできれいに全部、食べてくださったら気持ちがいいですね。



本連続インタビュー企画は、「街中で見かける外食のガチェーのトップは自社の展開するメニューをどのように考え、展開しようとしているのか。また、実際に自ら自社の商品を食べているのか」という、ささやかな疑問から始まった。

ビジネスマンの「食」には、デスク食、会議弁当食、他部署担当者とのコミュニケーション食、さらには接待食などさまざまなスタイルがある。ときには、ほっとひと息をつきたい1人メシ、出先で時間に迫られて摂る10分メシの際など、安くて早いチェーン店舗を利用するシーンもあるかもしれない。本企画を通して、そんなチェーン店舗への興味を追求していただければうれしい。


元谷芙美子(もとや・ふみこ)◎福井県福井市生まれ。福井県立藤島高校卒業後、福井信用金庫に入社。22歳で結婚し、翌1971年、夫の元谷外志雄が興した信金開発株式会社(現アパ株式会社)の取締役に就任する。1994年4月に取締役社長に就任。会員制やインターネット予約システムをいち早く導入し、全国規模のホテルチェーンへと成長させる。2006年早稲田大学大学院公共経営研究科修士号を取得し、2011年には同博士課程を修了。現在、アパホテル株式会社取締役社長をはじめ、アパグループ11社の取締役、東京国際大学客員教授、日韓文化協会顧問を務める。

市島晃生(いちじま・てるお)◎1966年神奈川県生まれ。テレビディレクター、演出家。「食べ方学会」会長として同人誌「食べ方図説」発行人も務める。365日、不規則勤務を強いられる放送業界で苛酷な業務をこなしがら、今日の仕事と明日の充実のため、ベテランテレビマンならではの「一番おいしい」「完食」の奥義を追求し続けてやまない。グルメ、バラエティー番組を中心に「料理の鉄人」「ウンナンのホントコ」「マジック革命!セロ」「極皿食の因数分解」「奇跡の晩餐〜ダイニングアウト物語」などを担当。著書に『絶対にうまい食べ方』(2014年、中経出版刊)。

文・構成=石井節子 写真=帆足宗洋(アパホテル提供のもの以外)

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