「馬鹿げた死に方」の動画広告が、本当に伝えたかったこと

「Dumb Ways to Die(馬鹿げた死に方)」の動画より


キツいひと言の前にジョークを


深刻になりがちで、だからこそ若者に届くことがなかったこの手のキャンペーンを、ストレートでキツいメッセージを発信しながらも、贈賞式で会場から手拍子が起こるほど、親しみのある音楽と可愛らしいアニメーションで描いたことが、カンヌライオンズでは評価された。



キャンペーンの効果もきちんと出ており、前年同期と比較して、鉄道まわりでの死傷事故が、21%も減少したという。

部下やチームメンバーに小言を伝える必要のあるとき、最初から深刻な顔をして臨んでも、効果はおぼつかない。まずはジョークを交えて、楽しい雰囲気を醸し出し、そのなかで、ひと言「キツい」ことを伝えることで、結果はより良いものになってくるのではないだろうか。

子どもがいくら言っても勉強せずにゲームばかりしている。そんなときは、30分だけ一緒にゲームに興じてみてから、勉強もしようよと語りかけるほうが、なんらかの効果が充分に見込めるかもしれない。

深刻な重い話題のときこそ、楽しい雰囲気を醸し出すことを心がけてみてはいかがだろうか。

連載:先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま
過去記事はこちら>>

文=佐藤達郎

ForbesBrandVoice

人気記事