サラリーマンは経験値の“仕入れ”——moto氏が指摘する、本業との向き合い方
───今では副業年収が1億円を超えていらっしゃいます。サラリーマンを辞めない理由はあるのでしょうか。
本業で成果を出すことが、副業でお金を稼ぐ大切な要素になると考えているからです。
僕のブログ「転職アンテナ」は、記事数が21しかありませんが、今は年間で約5億円を超える売上があります。この結果は、本業で得た知見や、転職の苦労など、オリジナルの経験を発信しづけてきたからこそ。自分オリジナルの経験がなくて、難しかったと思います。
僕にとって、サラリーマンとして働くことは「経験値を仕入れる機会」になっています。なので、副業でお金が稼げたからとって、安易に独立を考えることもしません。
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───とはいえ、普通のサラリーマンが、自分の経験を誰かの役に立つ資産に変えるのは容易ではないと思います。
むしろ同じサラリーマンだからこそ、みんなが困っている視点に立てるはず。自分が困難を解決した経験は、その大小に関わらず、必ず誰かの役に立つので、それをコンテンツという形で資産にすればいいんです。
自分の経験を形にしてユーザーに届けることにスキルは必要かもしれませんが、今の時代はSNSがあります。少しの工夫さえすれば、マネタイズも難しいことではないはずです。
───自分では「当たり前」だと感じる経験も、視点を変えれば価値になると。
おっしゃる通りです。僕は以前、仕事の接待で利用したお店のなかで、おすすめできるお店をセレクトしたブログを書きました。そのブログは、およそ100万円ほど売り上げています。これは、僕にしかできないことではなかったはず。日々の仕事における経験値は、きっと誰かの役に立ちます。
転職も副業も、本業において経験値を積み上げることが原点です。そのためにも、目の前に仕事で成果に拘ることが大切です。目の前にある仕事の中で得られる経験を、自分の市場価値を高める手段として活用していくことが、今後のキャリアにおいては大切なのではないでしょうか。