キャリア・教育

2020.03.16 06:30

年収1億円超 異色のサラリーマン・motoの逆算的なキャリア戦略


新卒でホームセンターを選んだ理由は、自分の将来が解像度高く描けたから。就職活動は大手企業を中心に受けていましたが、大手でのキャリアは不透明で、本当に「正解」と言えるキャリアなのか、違和感を感じるようになったんです。
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内定をいただくことはできていましたが、卒業を目前に就職活動をやり直し、地元のホームセンターへ入社することに決めました。

“不安定”より、“不透明”を怖れよ


───大手企業に感じた「違和感」について、より詳しくお伺いさせてください。

違和感の正体は、「自分の将来をハンドリングできないこと」への不安です。
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それまでは「大手企業こそ正解だろう」と安易に考えていましたが、採用してもらえたとしても、セールスをしているのか、人事をしているのか分かりません。働く場所も、北海道かもしれないし、沖縄かもしれない。この「入社するまで、どこで何をするかわからない」という、会社に自分のキャリアを委ねる状態に不安を感じました。

───そこで、安易に大手を目指す思考をやめられたと。最終的にホームセンターを選んだ理由についてお伺いできますか。

大手企業とは逆で、どこで何をするかが明確に描けたからです。具体的には、お店の売り上げを伸ばす、つまり企業に何をもって貢献するかがイメージできました。小売店はビジネスモデルがシンプルなので、やるべきことがある程度決まってきます。僕にとっては普段から利用しているお店だったので、顧客目線を活かすこともできる。

小さなお店だったので、自分のやったことが売上としてダイレクトに可視化されます。自分が実績を上げやすい環境に身をおくことが、後のキャリアパスにおいて役立つのではないかと感じたんです。もちろん大手の内定を蹴る恐怖もありましたが、あとは「選んだ道を正解にするしかない」と腹をくくりました。

───ずっとホームセンターでキャリアをつくろうと考えていたのでしょうか。

いえ、もちろん転職前提です。僕には短大卒というハンデがあるので、自分で実績を出し、その実績をもとに転職をすることが、最もキャリアをつくりやすい選択肢だと思っていました。

実力をつけるという意味で、最初から大手企業の看板に頼って仕事をするより、自分が実績を出しやすい環境で勝負する方が得策。そう考え、最終的に地元のホームセンターを選んでいます。

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文=小原光史 写真=小田駿一

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