77歳を迎える私が、始めたばかりの挑戦 影響を受けた2人の紳士

2017年、Tazaki財団の第1期奨学生として留学した5人の若者と筆者(左)、妻で会長の田崎ひろみ(右)

2016年、筆者は「Tazaki財団」を設立した。同財団では16歳の高校生を対象に5年間の英国留学にかかる費用(約4000万)を全額支援している。返済不要の奨学金として国内最高額。

なぜここまでグローバルリーダーの育成に注力するのか。それは、筆者自身が身をもってその大切さに気づいたからだ。1962年、19歳の頃単身渡英し、ケンブリッジ大学に進学。卒業後に英国で創業した人材紹介会社ジェイエイシーリクルートメントは、現在世界11カ国で事業展開するほど成長を遂げた。

この連載は、今後日本や世界を牽引する若者に向けて必要なことを、筆者の半生を振り返りながら綴る奮闘記だ。



2017年8月、Tazaki財団の5人の奨学第1期生が留学のため渡英しました。19歳の頃渡英し、英国で学び現地で事業を立ち上げた私が、今度は日本の若者を英国に送り出す役割を果たすことができたことは非常に感慨深いことです。

Tazaki財団は、私が19歳の頃学んだKingswood Schoolを始めとする3校のパブリックスクールと提携しており、奨学生はそれぞれの適性に合った学校で2年間の学校生活を送りながら、大学受験の資格取得のための準備をします。

この原稿を書いている2020年3月現在、Tazaki財団の1期生5人、2期生5人、3期生8人の計18人が英国に留学し勉学に励んでいます。2017年に渡英した第1期生は2年間のパブリックスクールの課程を経て、オックスフォード大学をはじめUniversity College London(以下UCL)などの英国の優良大学に進学しました。

専攻コースは数学・コンピューター、経済・経営、経済、言語学、PPE(Philosophy Politics and Economics)とさまざまで、将来各分野での活躍を期待しています。2期生は2020年6月の大学入学資格「GCE-A レベル」の試験に備えている段階で、3期生は渡英後半年が過ぎ、やっと英国の学校生活に慣れてきたところです。
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