キャリア・教育

2020.03.17 20:00

「インスピレーション」を受けやすい人と環境の共通点


インスピレーションの3つの特徴


スラッシュとエリオットは、インスピレーションの特徴を3つ挙げています。

1. Evocation(喚起)


外的なモノ・コト・ヒトによる刺激により「喚起」されるのがインスピレーションであり、その瞬間は、能動的ではなく受け身であるとしています。たとえばGoogleで何かを検索する時のように目的意識を持った状態ではなく、予期せぬこととしてインスピレーションは起こる、としています。

2. Transcedence(超越)


普段の自分の思考や悩みを超えた新しい可能性・アイデア・目的・選択肢に目覚める、つまり今まで見えていなかった視点が突如出現するのがインスピレーションである、ということです。

3. Approach Motivation(動機付け)


新しい可能性・アイデア・目的・選択肢を実現・伝達するモチベーションが発生するものがインスピレーションである、としています。つまり、何かを発見したらそのままにするのではなく、動き出さざるをえなくなる、それがインスピレーションであるとしています。

インスピレーションが持つ2つのフェーズ


上記の3つの特徴を持つインスピレーションが発生した場合、人にどんなことが起こるのか、2つのフェーズがあるとされています。

まず、「Inspired By」というフェーズ。これはつまり、先の喚起や超越を体験する「受け身」のフェーズです。何かにインスピレーションを受けている状態です。

そして次に「Inspired To」というフェーズです。これは、「Inspired By」を受けて動機付けされている状態になっていて、目的意識や責任意識も高い状態です。

インスピレーションとは、何かをひらめく「瞬間の出来事」ではなく、これらの一連のInspired ByとInspired Toの流れがセットで起きている「継続的な状態」のことを指すのだとしています。

この一連のインスピレーションの流れをたとえばの話でまとめてみます。

喚起:親戚のお兄さんが「この映画すごいよかったから観てみたら?」と勧める

超越:その映画を見て「すごい!こんな世界があったのか!」と感動する

動機付け:自分も映画監督になりたい! と思い映画をたくさん見始める

こうしたプロセスを踏むものが、インスピレーションであるとしています。
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文=杉浦太一 調査協力=清水イアン 写真=shutterstock、CINRA

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