「インスピレーション」を受けやすい人と環境の共通点

「学び」の形は、人の歴史と共に大きく変化してきました。個人を重んじる教育、集団を重んじる教育、時代や国でも様々です。

私はメディア事業、HR事業などを手がける「CINRA」の代表取締役として、新たに教育事業を立ち上げるにあたり、世界中の様々な「学び」のあり方を調査してきました。

今回は、人の新たな可能性をにぎるカギとして「インスピレーション」について考えたいと思っています。

そもそも、「インスピレーション」とは何でしょうか? ひらめき、感動、変化、スピリチュアルな体験、いろいろ定義があると思います。

ここでご紹介する内容のベースとなっている研究結果や論文は、インスピレーションを心理学の領域で研究し続けているトッド・スラッシュ(Todd M. Thrash)とアンドリュー・エリオット(Andrew J. Elliot)によるものです。彼らの研究から、インスピレーションについて考えていきます。

13〜19歳に、人生を変えるインスピレーションを届けたい


去る国際教育デーの1月24日、CINRAの新たな事業として、13歳から19歳の若者向けのサービス「Inspire High(インスパイア・ハイ)」がスタートしました。

Inspire Highは、アーティストやビジネスリーダー、研究者など、第一線で活躍し、自分の人生を楽しむ様々な大人から自分の世界を広げるインスピレーションをもらうオンラインラーニングコミュニティです。

具体的には、会員登録したメンバーは月に2、3回実施される90分間のライブ配信セッションに、独自アプリから参加することができます。

その90分で、毎回入れ替わりで登場する幅広いガイドの世界を知り(1)インプット、実際に作品を自分で作り、表現したり、(2)アウトプット、みんなで作品をフィードバックし合うことで(3)フィードバック、自分の世界を広げていきます。

登場するガイドは、以下のような方々です。

・谷川俊太郎(詩人)
・龍崎翔子(L&G GLOBAL BUSINESS,Inc. 代表 / ホテルプロデューサー)
・ゆうこす(モテクリエイター)
・新野 俊幸 (EXIT代表取締役 / 起業家)
・安部敏樹(一般社団法人リディラバ代表理事 / 社会起業家)
・枝優花(映画監督)
・市原えつこ(メディアアーティスト) ほか

ガイドの皆さんに共通するのは、自分の人生を楽しみ、それぞれに世界と豊かなつながりを持っていること。

彼ら、彼女らからインスピレーションをもらい、自分の世界を広げ、「人生悪くないかもな」「自分もあんな風だったらいいかもしれないな」など、生きたい未来を見つけてもらうのがInspire Highのミッションです。

現在の10代が生きるAI時代に備え、これまでのような画一的な評価、能力、成功ではなく、様々な大人の人生の楽しみ方にふれることで、より多様な、自分らしい生き方を発見してもらえたらと思っています。
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文=杉浦太一 調査協力=清水イアン 写真=shutterstock、CINRA

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